暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第213話:花咲く前夜
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っきの戦いで、発信機を取り付けさせてもらったの」
「何時の間に!?」
「……あぁ、あの時か」

 マリアの言葉に驚く響に対して、奏は合点が入った様に頷いた。マリアがヴァネッサに対して接触したタイミングは、グレネードから奏達を守った後の一連の攻防の中で放たれた拳による一撃の時しかない。何気に強かなマリアの行動に、颯人も思わず拍手を送った。

「おぉ、やるじゃんマリア。何時の間にそんな搦め手覚えた?」
「誰の所為かと言われれば、今私の目の前にいる誰かさんとしか言えないわね」

 腕を組み片目を瞑って見つめてくるマリアの視線に、颯人は素早く自分の左右を見やる。だが彼が視線を向ければそこに居る者達はさっと彼から離れ、マリアの視線の先に残されたのは颯人1人となった。つまりはそういう事な訳で、颯人は降参する様に両手を上げるしか出来なかった。

「やっぱりペテン師の影響だったか」
「まぁまぁ」
「マリアが毒されてる……」
「これ以上颯人さんの影響を受ける前に、隔離した方が良いかもしれないのデス」
「ハヤト、言われてるぞ」
「光栄だと言っておくよ」
「颯人がこの程度の事気にするわけ無いじゃん」
「その神経の図太さは見習うべきか悩み処ですね」
「お願いだから翼さんは今のままでいてください」

 俄かに騒がしくなる発令所の中だったが、そんな時ふと透がある事に気付いた。

「あれ? そう言えば了子さんは何処に行ったんです?」

 そう、今この場にはS.O.N.G.の技術主任でもある筈の了子の姿が見当たらなかった。聖遺物に関しては本来この場の誰よりも知識を持っている筈の彼女が、今後の対策会議の場に居ない事に違和感を感じざるを得ない。
 透の疑問の言葉に颯人達もそう言えばと言った感じで周囲を見渡していると、唐突に扉が開いて話題の人物である了子が部屋に入って来た。

「いや〜、ゴメンねゴメンね? 色々と話し込んでたらすっかり遅くなっちゃった」
「あ、了子さん。何処で何してたんだよ?」
「ちょっと皆のシンフォギアに関して、気になる事があったから錬金術師協会のお偉いさん達とリモートで意見交換しててね」
「サンジェルマンさん達と?」

 了子の言葉に颯人も思わず首を傾げる。接点があるとすればシンフォギアとファウストローブに関する技術ではあるが、間接的に魔法が使える奏と違って響達は錬金術も使えない。そんな彼女達にファウストローブの技術を活かすなど出来るとは思えないのだが……

「それについては、彼女も交えて話させてもらうわ」
「彼女?」

 了子が微笑みながら正面のモニターに目を向けるので、響達が首を傾げながらそちらを見やる。するとそこには、新たにサンジェルマンの姿が映し出されていた。




***


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