暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第213話:花咲く前夜
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廃棄物処理場跡での戦いから帰還した奏達は、休息と戦闘後の体の異常が見られないかの検査を終えた後に対策会議を行っていた。
そこで奏は、ヴァネッサと会話した上で凡そ推測できる彼女達とジェネシスの関係性などを話した。
「つまりあの錬金術師達は、揃ってジェネシスの連中に脅されてるって訳か」
奏の話を噛み砕いて言葉にする颯人に、他の者達は大なり小なり苦い顔をする。特に響の表情は重い。単純に手を伸ばすだけでは取れない手を前に、どうするのが最善かと頭を悩ませているのだ。
「全員か、或いはあのヴァネッサって奴だけかは分かんねえけどな。少なくともいい関係じゃない事は確かだろうよ」
「ケッ! 相変わらず胸糞の悪くなる奴らだ。大体連中の交渉材料だって、あの3人を人間に戻すって事だろうけれどそれも守る気があるかどうか」
クリスが零した悪態に、透は意識せず自分の傷痕だけが残る首に手を触れた。彼は一時期半分洗脳状態だったとは言え、ジェネシスに所属していた人間だ。その頃の朧げな記憶を手繰り寄せても、ジェネシスが誰かを癒す為に魔法を使っている記憶は無かった。恐らく十中八九、連中はあの3人の望みを叶える事はしない。利用するだけ利用して、用が済んだら捨てられるだろう事が想像できてしまう。
気付けば自分で自分の首に指を突き立てる様に力を入れていた彼に、気付いた翼が彼の肩を叩いた。
「ッ!」
「気に病むな北上。あの3人を心配する気持ちは皆同じだ」
「……はい」
ともあれ、結局は逃げられてしまった事は動かしようのない事実。それに分からないのは、あの3人が何故あそこにいたのかと言う事である。あんな何もないような場所で何をしていたのか?
「そう言えば、初歩的な疑問だがアイツらあそこで何してたんだ? 何であんなところでアルカノイズを暴れさせた?」
尤もなガルドの疑問の言葉。その謎を紐解く鍵となるものを、エルフナインが見せてくれた。
「それについては、これを見てください」
そう言ってエルフナインが正面のモニターに表示したのは、特に装者達にとっては見慣れた波形図。誰の物とも合致しないが、紛れもないアウフヴァッヘン波形であった。
「これは、アウフヴァッヘン波形?」
「それも、アタシらとは別の……! って、まさかッ!」
アウフヴァッヘン波形は聖遺物にフォニックゲインかそれに相当する何らかの刺激が加わらなければ発生しない。そして直近で聖遺物と言われてまず真っ先に思い浮かぶものは、彼女達にとって一つしかなかった。
「あぁ。奪われた腕輪が起動したとみて、間違いないだろう」
「アルカノイズの反応に紛れ、見落としかねないほど微弱なパターンでしたが、辛うじて観測出来ました」
「恐らくは、強固な結界の向こうでの儀式だ
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