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俺様勇者と武闘家日記
第3部
サマンオサ
死を操るもの
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る。
 間髪入れず別の魔物が私の頭を掴もうと手を伸ばした。すんでのところで首を捻り、避けたと同時に髪の毛が一本切り裂かれる。もう一体の魔物の攻撃だ。あと一瞬避けるのが遅れていたら、私の首と体は真っ二つに分かれていただろう。
 だが、その一瞬の隙をついて、先程私の鳩尾に攻撃を入れた一体が、口を大きく開けながら私ののど元に向かって噛みつこうとしてきた。すでに体勢を崩された私の身体は、頭ではわかっていても体が思うように反応してくれない。
 駄目だ、このままじゃ噛まれる!!
 私は決心し、ランタンを目の前にいる魔物たちに向かって投げつけた。
 ぼぉっ!!
 ランタンの中で灯っている炎が、間近に迫った魔物に燃え移った。そしてあっという間に腐った死体の体が炎に包まれる。
『ゴアアアアアアアアアッッ!!』
 その炎はほかの魔物にも燃え移り、三体の死体が一斉に燃え上がった。その急激な炎の勢いに圧され、私は思わず数歩後ろに下がった。
 ずるっ!!
 しかし、地面と湖面の間に足を滑らせてしまい、バランスを崩した私は、背中から湖へと落ちてしまった。
 バシャーーン!!
 激しい水しぶきを上げながら、私は深い深い湖の底へと沈んでいった。海と違い、どんなに腕を掻いても浮上しない。それどころか、吸い込まれるように下へと沈んでいく。
 いやだ、こんなところで死んじゃうなんて……。
 ユウリ、シーラ、ナギ……。三人を助けなきゃならないのに、ここで私が死んじゃったら、三人も殺されちゃう……。
 ??そんなの嫌だ!!
 私はうっすらと紅く光る水面に向かって、必死に両手を掻いた。なのに身体は全く浮き上がる気配はない。それでも何かを掴み取ろうと、手を伸ばした時だった。
「!?」
 突然後ろからすくい上げるように、私の身体が浮上した。
 ザバッ!!
 何だかわからないまま、水面に顔を出した瞬間、必死に新鮮な空気を吸い込んだ。
「ミオ、大丈夫!?」
 すぐ耳元で呼び掛けてきたルークの声にはっとなり、思わず後ろを振り返る。
「るっ、ルーク!! 助け……」
「大丈夫だから! 落ち着いて!!」
 ルークは私を抱き上げたまま湖岸に上げると、自身も湖から這い上がった。そして、目の前の光景に目を見張る。
「一体何があったの!?」
 彼が驚くのも無理はない。私たちの目の前には、炎に包まれた腐った死体たちがひとかたまりになって絶叫を上げていたからだ。
「ごめん、説明はあと!! あともう一体、魔物がいるの!!」
 私が燃え盛る炎の向こう側にいる魔物に視線を移すと、ルークは驚愕した。
「まさか、『ゾンビマスター』がいるのか!?」
「そう!! そいつがどんどん腐った死体を呼び寄せてきたの!!」
「そうか、じゃああの炎に包まれてるのが腐った死体ってことか。ランタ
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