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俺様勇者と武闘家日記
第3部
サマンオサ
死を操るもの
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 さらに足場の悪い湖の傍で一歩も動かずに攻撃を受け流さなければならない。終わりのない戦いに、次第に私の集中力が切れ始めた。
 何度目かの腐った死体の攻撃を躱し、カウンターを食らわせた時だった。
『ベホイミ!!』
 ゾンビマスターは、今度はベホイミを腐った死体にかけてきた。ゾンビにもベホイミが効くのか、という疑問と、さらに戦いが長引いてしまったという後悔から、私は茫然となった。
 すると、間髪入れずゾンビマスターは再び杖の先を地面に叩きつけた。先ほどと同じ六芒星が現れ、盛り上がる地面とともに二体目の腐った死体が現れた。
 二匹目……!!
 それを凝視した私は、軽い絶望を感じていた。これ以上敵が増えてしまえば、とてもじゃないが捌ききれない……!!
 お願い、早く戻ってきて、ルーク!!
 だが私の願いもむなしく、ちらりと背中越しに見た湖の水面はいまだに人影を映し出してはくれない。私は小さく肩を落とすと、目の前にいる三体の魔物を睨みつけた。
 どうやらゾンビマスターは自ら攻撃を仕掛けてくることはないようだ。その代わり、別の魔物を呼び出したり、回復をするのがメインらしい。対して腐った死体たちは単調な攻撃しかしてこない。しかしこの状況を私の勝利だと結び付けるには、判断材料があまりにも少なすぎる。
 そうこうしている間に、二匹の魔物はまるで事前に打ち合わせでもしてるのではないかと思うくらい連携の取れた動きで、私に攻撃を浴びせようとしてきた。
 向かって右側の腐った死体の攻撃を避けた途端、すぐさまもう一体の魔物の体当たり攻撃が襲ってくる。
 それでもこの僅かな隙を見極めると、私はランタンの明かりを再び湖面に映し出した。すると水面に小さな黒い影が映り始めたではないか。
 戻ってきたんだ!!
 あともう少し時間を稼げれば、ルークが戻ってくる。それまでなんとか持ちこたえなければ!
 私は二体の魔物の容赦ない攻撃を、紙一重で躱し続ける。攻撃を喰らうのはもちろん、腐った体の一部が自分に触れることもできれば避けたい。
 そんな応酬を繰り広げている間に、またしてもゾンビマスターが別の腐った死体を呼び寄せたではないか。一体何体呼び出せば気が済むの!?
 対してこちらは、星降る腕輪を長時間使っているからか、いつもより襲ってくる疲労感が強い。三体分の攻撃はさすがの私も捌くのに精いっぱいだった。
「くっ、はあっ、せいっ!!」
 避けながらなんとか攻撃を入れようとしているのだが、どうやら星降る腕輪の力を引き出すための体力がなくなってきているようだ。私の攻撃は魔物たちに易々と躱され、反対に魔物の攻撃が私に当たり始めるようになる。
「うぐっ!!」
 鳩尾に、一体の腐った死体の拳が当たった。単調な攻撃だが思いのほかその威力は重く、私はその場で体をくの字に曲げ
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