第三百五十九話 開戦の宣言その三
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メルヴィルもトウェインもお互いを見ると親し気に笑って言った。
「こっちの世界でははじめて会うな」
「元気そうやな」
「ああ、今朝はトーストを四枚食ったわ」
「わいはサンドイッチ一皿や」
「それは何よりや、ほな今からな」
「お互い言うか」
「ああ、わし等は自分等に宣戦を布告する」
メルヴィルの方から告げた。
「今の時点でな」
「わい等も自分等に宣戦を布告するわ」
トウェインも言った。
「これよりな」
「ほなお互い全力で戦おうな」
「そうしよな」
「そして勝った方が負けた方を組み入れる」
「それを以てアメリカ統一としような」
「その時往生際悪く不正だの言わんでな」
「素直に認めような」
最後はこんなやり取りをしてだった、お互いの宣戦布告を終えるとそれぞれの軍に戻った。そしてだった。
両軍は激しい戦闘に入った、航空機が飛び交い大砲が火を噴き戦車や装甲車、騎兵が突進する。海でも同じだった。
合わせて三百二十万の軍勢がぶつかる、両軍の星の者達はそれぞれの持ち場で指揮を執り自らも陣頭で戦うが。
トウェインは最前線でだ、戦局を見て言った。
「互角やな」
「今のところはですね」
「そろそろ暗くなるが」
傍にいた森人の中佐に話した。
「しかしな」
「今日は互角ですね」
「決着はつきそうにないわ」
「そうですね」
「そやから今日はこれでな」
「戦闘を終了しますか」
「メルヴィル達もそうするやろしな」
敵である彼等もというのだ。
「そやからな」
「ここはですね」
「軍を退けて」
そうしてというのだ。
「陣地に戻ってな」
「休みますね」
「飯を食って寝る」
その二つのことを行うというのだ。
「そしてまた明日や」
「戦いますね」
「そうするで」
激しい砲撃戦の中で言った、両軍の砲撃の音が戦場でオーケストラとなっており爆発があちこちで起こっている。
兵器も将兵達も果敢に戦い吹き飛ぶ者もいるが誰も怯んでいない、その中でトウェインは言うのだった。
「死傷者を連れて行ったうえでな」
「彼等を治療させると共に」
「休んでな」
「明日再びですね」
「戦うで」
「わかりました」
中佐は確かな声で応えた。
「それではその様にして」
「飯の用意は出来てるな」
「レーションで」
「それでええ、ほなな」
「そのレーションを食べてですね」
「夕食にするで」
こう言ってだった。
トウェインは暗くなると戦闘中止を宣言し死傷者を回収したうえで軍を退かせた、同じ時にメルヴィルもそうさせた。
陸の戦闘が終わると海も空もだった、両軍は戦闘を止めて休息に入った、負傷者の治療と回復それに戦死者の復活とだった。
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