第1話 ゲルズゲー、誕生
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地球側の誰もが疑わなかった物量で圧倒的に勝る地球連合軍の勝利……その予想は、ザフト軍の使用したMSの活躍によって覆されることとなる。
1機で連合の主力MAメビウス3機に匹敵するMS――ZGMF-1017ジンの登場により敗北を喫する。
この際、ブルーコスモス派将校によって持ち込まれた核ミサイルがプラントへ向け放たれ、農業用コロニー『ユニウスセブン』が崩壊。
24万3721名の犠牲者を出したこの事件は、2月14のバレンタインデーに起きたため『血のバレンタイン事件』と呼ばれることになる。
その一週間後の2月22日。
地球と月を結ぶ地球連合の拠点であるスペースコロニー『世界樹』へザフト軍が侵攻。
地球軍は第1〜第3の3個艦隊を投入して防衛戦を展開するが、先の戦いと同様、戦況は芳しくなかった。
「よし、こい………そこだ!」
地球軍のMAメビウス・ゼロが、有線式全方位攻撃兵装『ガンバレル』による全方位《オールレンジ》攻撃で1機のジンを撃墜する。
「ふぅ……これで2機か」
そのパイロット――ローレン・ハスター少尉は、一息つきながら周囲にも目を向けてみた。
そこで彼は、戦場の味方機の連携があまりにも出来ていないことに気付く。
これでは性能で勝るジンに各個撃破されるだけだ。
援護に向かおうとも思ったが、ハスターの機体もそろそろ燃料がヤバい。
仕方なく、彼は補給のため母艦であるドレイク級護衛艦サムナーへ戻ろうと通信回線を開いた。
「こちらハスター。サムナー、応答願う。サムナー」
だが、返信は何時まで経っても帰ってこない。
ザーザーと雑音ばかりが耳に響く。
「ちっ、こりゃ通信が妨害されているな……他の部隊の無様はこれのせいか。ザフトの奴ら、何をしやがった?」
繋がらないものはどうしようもなく、ハスターは直接母艦へと向かう。
通信は、サムナーに接近したときに漸く回復した。
「こちらハスター、燃料がヤバい。一時帰還のためハッチの開放求む」
『こ、こちらサムナー。了解しました』
通信士の返答後ハッチが開かれ、ハスター機は艦内へと収容された。
・・・・・
「3機目、ってか」
補給を済ませて再出撃したハスターは、メビウス・ゼロを巧みに駆り更にジン1機を仕留めていた。
「前の戦いで2機、今日は最低3機。これで俺もエースだな」
エースパイロットは5機以上の敵機を撃墜したパイロットに与えられる称号であり、ハスターはこのときその条件を満たした。
そんな中、ザフトMSジンの一群が世界樹へと取り付く。
「おいおい……これはちょっとばかしヤバいんじゃないか……」
彼のその言葉は、程なく現実となった。
ジンが放った大型ミサイルが世界樹
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