第四章
38.仮面
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変わるかもしれない」
緑の魔法戦士は、隼の剣を肩にかついだ。
「結局、世界を動かすのは地上の者たちってことさ。じゃあ、またね。リレミト」
あ――というフォルとタクトの声の反響がなくなる前に、サマルトリアの王子の姿は消えた。
フォルたちは、すぐに白い少女へと視線を移した。
「ミグアさん、ありがとうございました」
「いやあ、おれも奥の手がある風にして時間稼いだ甲斐があったよ! 感謝感激雨霰!」
フォルは深々と頭を下げながら、タクトは身振り手振りを交えながら、礼を言った。
「奥の手があったの?」
「そんなのあるわけないじゃん! 超怖くておしっこチビりそうだった!」
「あっそ」
タクトに無愛想な返しをする白い少女。
一方、フォルはやや慌てながら彼女に話しかけた。
「ええと、どうしてここにいらしたのかですとか、堂々とこちらに付いて大丈夫なのかですとか、いろいろお聞きしたいことはあるのですが、その前にお願いが――」
「ベホマ」
「あっ、ありがとうございます。でも私ではなくてですね、あちらの――」
「わかってる。転がってる三人に、だよね」
「はい、そうです。お疲れのところ申し訳ありませんが、お願いできますでしょうか」
「別に疲れてない。走ったんで息が切れてただけ」
フォル・タクト・ミグアの三人一組で、回っていく。
まずは、最も重傷と思われたバーサーカーの少女・シェーラのところに。次に、若アークデーモン・ダスクのところに。
そして最後は、祈祷師ケイラスである。
「誰なの、この人」
「このかたはベラヌール支部所属だったケイラスさんです」
「ああ、噂のね。ベホマ」
回復して立ち上がった祈祷師ケイラス。
仮面がベギラマの直撃で外れていたため、崩れていた美麗な容姿が一瞬で復元されていくことが見て取れた。
「君がフォル君の言っていた、ロンダルキアの祠の主か……。感謝する」
「あっ、大丈夫ですか? ケイラスさん」
ベホマは失血を元通りにする力はない。ケイラスが立ち上がって白い少女に礼を言ったときに若干のふらつきが認められたため、フォルは心配の声をかけた。
だが金髪の祈祷師はそれに答ることはなく、じっとフォルの目を見つめた。
だいぶ身長差がある。フォルは頭上にクエスチョンマークを出しながら彼を見上げた。
「あれ? 私の顔、何かついてます?」
眉間に寄るシワは元々あったので回復呪文でも消えていないが、フォルの目には、それがやや浅くなったように見えた。
「君に覚悟はあった。私が見えていないだけだった。逆に私は覚悟と思い上がりを履き違えていたようだ」
それで、フォルは彼が何を言
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