第17話:遅参勇者と焦る魔女B
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達を苦戦させる程のモンスターが出現する事は無かった。
そして……
マドノ達を尾行してから20日程が経過した時、マシカルは自分の行動が虚しく視えた。
「何やってるんだろ……私……」
マシカルがマドノの仲間になったのは、勇者の従者としての栄光や名声を得て成り上がる事だった。
だが、当のマドノは意外と慎重派で経験値至上主義。
故に、経験値稼ぎを目的とした雑魚狩りを怠りながら次々とボスモンスターを倒すグートミューティヒに名声や手柄を横取りされ続け、その事をマドノに進言しても煩わしく思われ、遂にグートミューティヒとの直接対決に敗れ、敗北の責任を押し付けられて勇者一行を解雇された……
望んでいた栄光とは真逆の結末に、マシカルは無意識に座り込みながら泣き崩れた。
そして……
そんなマシカルを更に打ちのめす出来事が起こってしまう。
マドノ達は遂に遠距離攻撃の要であるアーチャーを手に入れてしまったのだ!
その男の名は『ノチ』。
マドノが訪れた農村で猟師をしていた青年だった。
が、マドノにとってもノチにとっても好都合な出逢いだった。
ノチは元々、こんな田舎臭い農村が嫌で、いつかこの村を出て都会に往くと決めていたのだが、そこにタイミング良くマドノが来てしまったのだ。
一方のマドノも、ノチのレベルがまだ18しかない事に不満が有るものの、矢をつがえ放つ速度が人間離れしていた。早業とも言うべき卓越した技術と正確な狙いは、攻撃力と攻撃回数を重視するマドノ一行にとっては名品だった。
それに……
(つまり……勇者様御一行様の中に、私の居場所はもう無いのね……)
マシカルが上級魔法の詠唱を行っている間、ンレボウがマシカルを護ってやらねばならない。
仇敵グートミューティヒにとっては屁とも思わない簡単作業なのだろうが、防御を軽視し攻撃を重視するンレボウにとっては強制的に攻撃回数を減らされる苦行でしかないのである。
ノチにはそれがそれが無い。ンレボウにとってはそれがとてもありがたいのだ。
ただ、フノクだけは「また男か?」と不満がっていたが、勇者であるマドノの決定なので仕方なく従うしかなかった。
ノチの登場で自分の居場所が無い事を思い知らされたマシカルは、ただ力無く豪雨の中を彷徨い歩いていた……
その歩行に……目的地などの概念は無かった……
この事実がマシカルの心の傷を癒せるかどうかは不明だが……
グートミューティヒにとってマドノの今回の人事は、グートミューティヒの思う壺だった。
マドノ率いる勇者一行からマシカルが抜けた事で、ゴーストタイプのポケモンにダメージを与える事が出来る人物がマドノ率いる勇者一行にいない状態になってしまったのだ。
なら、マシカルより優秀な魔法使いを加えれば良い話なのだが、マドノもンレボウも詠唱時間がどうしても長くなってし
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