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星河の覇皇
第八十七部第一章 シャイターンの復活その三十

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「マウリアとの関係もあるしな」
「知らないふりをしますね」
「少なくとも表立っては」
「その様にしますね」
「それでいい、ただ彼等は今もだな」
 艦長はここで食堂の自分の周りを見た、見れば艦内のどの者も食事を楽しんでいる。階級に関係なく食べている。
 その場を見てだ、艦長はこう言った。
「士官は士官室で食事か」
「そうですね」
「もうそれは絶対の様ですね」
「士官は貴族ですから」
「平民の下士官や兵士とは別です」
「食事の場所ですら」
「確かに下士官や兵士は平民だな」
 エウロパでは貴族でその階級になることはない、例え自身が志願してもそうした階級で軍隊にはいられないのだ。
「しかし士官にはな」
「平民出身者も多いです」
「その筈です」
「ですがそれでもですね」
「エウロパにおいては」
「士官は貴族だからか」
 その立場とみなされるからだというのだ。
「食事は士官室か」
「そして食事の内容もです」
「士官と下士官及び兵士ではメニューが違います」
「士官の食事は馳走です」
「豪華なものです」
「しかも酒もついてだな」
 ワインと相場が決まっている。
「そうだな」
「従兵も付いていますし」
「士官室係というマークではなく」
「その士官それぞれの世話をする」
「従僕の様な兵士まで」
「知ってはいるが聞けば聞く程嫌になる」
 艦長は実際に嫌な顔になって述べた。
「貴族としてそこまでするとはな」
「全くですね」
「同じ人間だというのに階級をもうけ」
「そして食事の場所や内容まで分け」
「従僕までいる」
「実に嫌なものです」
「そんな国にいるなぞだ」
 艦長は食事の美味さには満足しながらも唾棄する顔で述べた。
「頼まれても嫌だな」
「全くですね」
「エウロパにはいたくないです」
「平民なら虐げられ貴族なら高慢になる」
「実に嫌な国です」
「あの国は」
「そんな国に生まれなくてよかった、だが彼等も戦いを見ているか」
 艦長は表情を戻して述べた。
「今この場にいて」
「そしてサハラがどうなるかを見ていますね」
「そして戦争の経緯を」
「どういった戦闘を行うか」
「そのことをですね」
「それは我々と同じか、では観戦武官の諸氏にはな」
 この艦にいる彼等にはというのだ。
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