第七十五話 焦る気持ちその七
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「人を簡単に切り捨てるとな」
「人がおらん様になるな」
「人を簡単に切り捨てる、使い捨てにするならや」
「人はそれを見るわ」
「そしてそいつには近寄らん」
「自分もそうなると思ってな」
「そうなる、しかしな」
それでもというのだった。
「それは少しでもやる気のあるモンに対してで」
「屑はな」
「どうにもならんからな」
「何処でもやらかすな」
「性根が腐りきってるさかいな」
だからだというのだ。
「何処でも同じや、もうそうした奴はな」
「切り捨てるしかないな」
「そや、腐った林檎は捨てる」
シェリルは言い切った。
「もうな」
「そうするしかないな」
「さもないとな」
「物事を潰すしな」
「その場所も腐らず」
「癌になるな」
「そや、癌や」
トウェインにその通りだと言い返した。
「まさにな」
「癌細胞は取り除くしかない」
「人は見捨てたらあかんが」
「人でないまでに腐ってるとな」
「そうするべきや」
「さもないと組織が腐るな」
「餓鬼や」
シェリルはこの存在も話に出した。
「言うならな」
「仏教でいうそれやな」
「そや、餓鬼はな」
まさにというのだ。
「捨てるしかない」
「人やない」
「まして生きものでもない」
「遥かに卑しい存在や」
「犬畜生は罵る言葉やが」
人ですらない、そこまで下劣な存在だと罵る時の言葉であろうか。
「しかし生きものはちゃう」
「ちゃんとした心があってな」
「真面目に生きてる、誇りもや」
「あるな」
「狼王ロボみたいにな」
シートン動物記で書かれている狼である、シートンと渡り合いかつ最期まで誇りを失わなかったことで知られている。
「それがある、しかしな」
「餓鬼は誇りもない」
「ただひたすら浅ましくて卑しくてや」
「ほんま屑やな」
「その餓鬼になるとな」
「どうにもならんな」
「人や生きものは見捨てたらあかんが」
それでもというのだ。
「餓鬼はちゃう」
「置いたらあかん」
「そや、餓鬼は餓鬼でな」
そこまで堕ちている者達でというのだ。
「扱うべきや」
「悪意ある禁治産者とかにして」
「隔離するのもええ」
「そうしてな」
「二度とな」
それこそというのだ。
「出られへん様にや」
「することやな」
「さもないとな」
そうしたことをせねばというのだ。
「まさにな」
「害を為すだけやな」
「おるだけでな」
「残念やけどな」
中里はシェリルに苦い顔で話した。
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