戦闘と説教と執事AI
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「どういう……こと?」
ありえない。ありえないのだ。
実際にはそんなことは起こり得ない。何故なら―――自分が造ったISはISでしか倒せないからだ。
さっきまでそのISの近くに―――半径100km内にISはいなかった。そりゃそうだ。完璧なステルス機能を付けたISだ。見破られることがあるわけがない。それなのに―――壊された。
「………ふ〜ん。まぁいいんだけどねぇ」
その後、彼女がある異常に気づくのは―――その工場にいた人間が全員逃げてからの襲撃が成功してからだった。
■■■
「ありがとう」
『いえ。これが記憶を失う前に言いつけられたことですから』
「ああ。そうして俺を助けてくれ。デタラメで造った優秀なAI『セバス』」
『私には信じられませんが。まさか―――篠ノ之束が造ったコアのシステムを解析するプログラムを、まさかあなたが構築するとは』
相変わらず、このプログラムは一言多かった。
『ですが、私は作られた身。例えどんな道を選ぼうと私はあなたに付いて行きます』
「そうしてくれ。それで、今回得られた戦利品は?」
『ええ。ISコアです』
そう言って転送装置から2個のISコアが現れる。ディアンルグ以外のコアは俺は作っていない。これは篠ノ之博士が作成したコアだ。それを―――セバスが掌握した。
「それで、残骸は?」
『あなた様が用意した乗り物に運び込みました。今まで封印されていたとはいえ、相変わらずの馬力です。あれを量産すれば、おそらくはISなど恐るに足りない存在になるかと』
「………そうか」
セバスの通信はISの、しかし特別の個人間秘匿通信を通じて通信だ。だから、俺たちの会話は外部には漏れない。
俺はコアを量子変換して隠した。コアを持っているだけで戦争が起こりかねない。
そして俺は―――そのままベッドに潜った。
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