戦闘と説教と執事AI
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為に釘を刺しておいた。
「だからと言って姉の力なんて頼るなよ。ただでさえお前は狙われやすいんだから」
「そ、それは………そうだが………」
「ところで、お前と姉は仲がいいのか?」
ふと、質問してみた。
「………いや。私は好きじゃない」
「へぇ〜」
「さ、先に言っておくが、言い寄ろうなんて考えは捨てたほうがいい。千冬さんから聞いているとは思うが、姉さんは私と一夏、千冬さん以外には興味を持たない」
「………え? 親は?」
「……あまり関わっていなかったのは覚えている」
それは意外だった。まさか親にまで興味がないとは。
「……一応、念の為に言っておくが、一夏は鈍感だからせめて力加減は考えろよ。女の専用機持ちもそうだが、お前も酷すぎる」
「わかった」
そうでもしないと後々面倒な事になると言うのが率直な感想なんだが。
それにしても、専用機持ちはろくな人間がいないな。デュノアも含めてな。
■■■
―――とあるside
「………やっぱり、こいつ邪魔だな」
ある女性がモニターを見ながらそうつぶやく。
「しかも箒ちゃんに近づいてきてるし、もしかして体狙い? まぁ、どっちにしろ倒すけどね」
そう言いながら別のモニターを開く。そこにはドイツの第三世代型IS『シュバルツェア・レーゲン』のスペックが表示されていた。
「むむ? これは……またドイツか〜。この前もだし。その時は変なISが現れて原因不明の制御不能に陥るし………。………あれ? そういえば―――」
女性はカタカタと投影型キーボードを叩き、ある映像が表示されていた。
「このIS、少し似てるね〜。いや、少し変わっているだけで一緒だね。しかも操縦者は―――あれかぁ。私のことを探っているらしいけど―――邪魔だね。いっくんの引き立て役になるならまだ良かったんだけど、目立ちすぎるんだよねぇ。しかも―――束さんが開発していないビーム兵器を実装しているなんて、これを造った人間はある意味凄いね。でも―――邪魔だからいいか」
そしてある日のために仕組む。障害は排除する。例えどんな手を使っても。それが―――篠ノ之束という人物だった。
「まぁともかく、今はその工場を消そっか」
篠ノ之束の秘密ラボ。そこから一機のISが飛んで―――消えた。
「―――え?」
彼女は驚いてディスプレイを凝視する。そこにはさっきまで飛ばした無人ISに付けられているカメラからリアルタイムで送られる映像を見ていたのだが、それが突然消えたのだ。
彼女はすぐに別の衛生からその場所を確認すると、狙った先の工場が無事で自分が飛ばしたISも無傷―――だが、地面にうつ伏せで倒れていた。
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