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星河の覇皇
第八十七部第一章 シャイターンの復活その二十六

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「少ないしな」
「レーションだとな」
「うちはそうだな」
「ああ、オムダーマン軍はな」
「あっちもそうらしいけれどな」
 ティムール軍もというのだ。
「どうしてもな」
「味は落ちてな」
「しかも種類も少ない」
「それじゃあどうしてもな」
「飽きるよな」
「そうなるな」
「だからな」
 こうした事情があるからだというのだ。
「やっぱりな」
「ああ、レーションよりもな」
「こうした普通の食事の方がいいな」
「パンだってな」
 見れば白いパンだ、丸く柔らかい。
「こうしたのじゃないからな」
「レーションのパンは乾パンだからな」
「ピラフにしても解凍で」
「やっぱりパサパサなんだよな」
「だから味はな」
「どうしても落ちるからな」
 こういったものもというのだ。
「主食にしても」
「本当にレーションでないとな」
「それだけで嬉しいな」
「そうだよな」
「俺達にしてみても」
「お前等そう言うけれどな」
 ここで伍長の階級章の者が言ってきた、見れば年齢は彼等より五歳程上の感じである。見れば食堂にいる者は皆作業服姿だ。
「食えるだけでもな」
「ましですよね」
「レーションでも」
「それも腹一杯食えたら」
「もうそれで、ですよね」
「ああ、それも栄養があるならな」
 そちらも考慮されているならというのだ。
「かなり違うからな」
「それはそうですね」
「いつも腹一杯食えたら」
「それも栄養があるなら」
「それだけで違いますね」
「そうだぞ、食えるだけでな」
 伍長は兵達に話した。
「もうな」
「それだけで、ですね」
「もう全然違って」
「それだけで感謝して」
「戦わないと駄目ですね」
「戦場で食えないってのは今はないけれどな」
 銀河の時代に入ってからだ。
「それでも腹一杯食えたらな」
「ですよね」
「それだけで違いますよね」
「俺も腹一杯食わないと動けないですし」
「俺もですよ」
「そうだよ、確かにレーションはまずいさ」
 伍長もこのことは認めた。
「けれど腹一杯食えるだけな」
「それだけですね」
「ましですね」
「そうだよ」
 こう言うのだった。
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