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金木犀の許嫁
第二十八話 二人一緒にその五

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「忍者の家だとな」
「何でも食べないとね」
「うん、駄目だからな」 
 自分の妻に応えた。
「長い間絶え忍なんてあるからな」
「そうよね」
「保存のきくものでも何でもな」
「食べないといけないから」
「だからな」
「もう何でもね」
「忍者丸なんてのもあったし」
 忍者の非常食である、色々なものを混ぜ合わせて作るもので長い間役目に従事する時に食べていたのだ。
「それでな」
「納豆だって食べないとね」
「他のものも好き嫌いなくな」
「ですから」
 佐京は二人にそれでと答えた。
「何でも食べられます」
「そうなのね」
「そうです」
「私達だってそうだしね」
 ここで真昼も言ってきた。
「好き嫌いなくね」
「うちも忍者のお家だからね」
 朝華は真昼にこう答えた。
「だからね」
「それでよね」
「分家でもね」
「やっぱり忍者のお家だから」
「それでよ」
 その為にというのだ。
「うちも何でもね」
「食べられる様に教育したのね」
「流石におかしなものは食べないでいいけれど」
「おかしなもの?」
「常識では食べない様なものよ」
 母はこう言うに留めた。
「虫位はいいけれどね」
「虫は食べられるから」
「そう、二人に食べさせたことはないけれど」
 虫はというのだ。
「まだね」
「いいのね」
「世界を見たら蝗もゲンゴロウも食べるけれど」
「そうしたものもね」
「けれど常識では食べないものはね」
「忍者でも食べなくていいわね」
「いいわよ、世界を探せば色々な食べものがあるけれどね」 
 それでもというのだ。
「常識の範囲内でね」
「食べることね」
「そうよ、忍者だから常識外れのものを食べないといけないとはね」
 その様にはというのだ。
「ならないから」
「そこは安心していいのね」
「そうよ」
「何か学校の皆のお話聞いたら」
 世界のとだ、夜空は世界中から人が集まる八条学園の学生として話した。
「色々食べるけれど」
「虫でもでしょ」
「それこそ何でもね」
「けれど皆普通は常識の範囲内で、でしょ」
「極端におかしなの食べないわ」
 普通はとだ、夜空は母に話した。
「確かにね」
「だから安心してね、ただね」
「ただ?」
「栄養バランスはね」
 何でも食べてもというのだ。
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