第12話 宣戦布告
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普段から魔眼で解析・分析したり研究したことでこの呪いの付与を開発した。
使う事は無いかと思っていたけど、今回は使える。
「この呪いはあなたの心の傷が癒えるまでの猶予期間を延ばすためのものよ」
「猶予・・・期間?」
「そう、今はまだ恋人の事がつらいでしょ?いつかそれを受け入れ、新たな人生を歩む時までの猶予期間。恋人の事を思い出として受け入れて、さぁ新しい恋を始めようと思ったらお婆ちゃんだった・・・じゃ悲しいでしょ?」
「くすくす・・・はい!」
恋人の話が出ると悲しそうな表情を浮かべるが、それでも笑みを浮かべる。
私も微笑みながら、セノアの指先を短刀で切り、契約を終了する。
昨日教会から頂いた荷馬車も、合成で改良済み。
その辺の木を切り倒して新品同様に仕立て直す。
要所を鉄で補強し、さらに魔力を付与。余程の事でもない限り壊れない。
自動物理防御魔法・自動魔法防御魔法・自動体力回復魔法・自動魔力回復魔法・自動加速魔法・自動清潔魔法・|自動修復魔法・自動環境快適魔法も付与した。
・・・・・・・・・・一瞬、簡易の移動要塞という言葉が思い浮かんだけどキニシナイ。コウゲキリョクハナイヨ?
付与の影響下にある4頭の馬が、疲れ知らずの車化したのを知るのはこの少し後の事。
「それじゃぁ、出発しましょうか」
「あぁ」「はい!」
3人で馬車に乗り込むと、のんびりと次の村を目指しはじめた。
「・・・そういえば」
「うん?」
御者台で手綱を握る私にエヴァが声を掛ける。
「昨日ド派手に魔法を使ったが・・・大丈夫なのか?魔法の秘匿なんてものは気にしてないが・・・」
「大丈夫よ。どうせ100年も経てば、唯のおとぎ話の1つになるわ」
そう笑いながら馬車は進む。
そう・・・所詮はそんなもの。いずれ歴史の中に埋もれる。
それでも、今を生きる下衆共には刻んであげるわ。
愚かな行いには、それ相応の罰が下されると。
いいえ、違うわね。それは大義名分。私はただ利用するだけ。
私と私の大切な者が生きていくために必要な様々な力。
それを得るための礎、それを得るための贄となってもらいましょう。
私に目を付けられたのが運の尽きかしら?くすくす、諦めてくれるかしら?
邪魔をするなら容赦はしないけどね。
宣戦布告の狼煙は上げた・・・どんな反応を見せてくれるかしら。
まぁ、結末は変わらないのだけどね・・・
そっと笑みを浮かべながら、
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