第12話 宣戦布告
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「いったい何の騒ぎですかな?」
エヴァより先に教会の外へ出た私を出迎えたのは人垣だった。
入り口にも下衆共の死体は転がっているから、それを見た村人が集まり出したのだろう。
見たところ村人のほとんどが来ているらしい・・・好都合だ。
私は片手で問いかけてきた、見たところ村長らしい老人を押しとどめると、小分け袋改め徴収袋から教会が溜めこんだ財産を地面に並べ始める。
麦を始めとした袋詰めされた食糧にワインなどの酒瓶・酒樽、そして金銀財宝の山。
並べ終えた頃、人垣から歓声が上がる。
丁度入り口からエヴァが、女性たちを連れて出てきたところだ。
女性たちが家族の下へ向かう前に押しとどめ、私は並べた徴収品の前に立ち名乗る。
「我が名はシルヴィア・マクダウェル!魔女狩りという暴挙を行うローマ・カトリック教会に対して弓引く殺戮者!」
「我が名はエヴァンジェリン・マクダウェル!シルヴィア・マクダウェルの義妹にして恋人。同じく教会に弓を引き、力でねじ伏せる者!」
ちらりと視線を隣に向ければ、悪戯の成功したような笑みを浮かべるエヴァ。
堂々の恋人宣言・・・正直物凄く嬉しい。
それにしてもこの場は私だけ敵になっとけばいいものを・・・律義な恋人に内心笑みが浮かぶ。
「まずはあなたの件を片付けましょうか・・・『デス』」
地面に座り込んでいた下衆に手を掲げ魔法を放つ。
「ひぃぃぃ!」
どこからともなく空中に死神が現れ、少しして消える。
「あなたに魔法の呪いを掛けたわ。その呪いが発動すればあなたは死ぬ。あなたに命じることはただ1つ。今回の件をローマ総本山の上層部に、なるべく早く伝える事。その呪いは気まぐれでね、いつ発動するか分からないわ」
そこで区切ると、左手を教会に向ける。
「『ファイア』」
短く告げると空中に幾つもの炎の玉ができ、教会に向かって発射される。
着弾した所から爆発・一気に燃え広がっていく。
炎系下級魔法でこの威力。さすがチート装備・チート能力。チート万歳ね。
「ハッタリだ、なんて思わないようにね」
微笑みながら宣告し、手枷を外すと一目散に駆けだした。
「意地が悪いな」
駆けだした下衆を村人が見ていると、エヴァがそんな風に口を開く。
「私は、呪いを掛けた・あなたに命じる。これしか言ってないわよ?」
「その命令をこなせば、生きられるかもしれない。という希望を持たせながらな」
「実際にはローマ上層部にこの件を話したら発動するようにしてあるのだけどね〜。嘘は言ってないわよ」
「あれの死すら、信じさせる材料にするのか?」
「使えるものは何でも使う。ましてあれに生きる価値など無いもの」
私とエヴァの
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