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星河の覇皇
第八十七部第一章 シャイターンの復活その二十一

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「彼は損害が出ない様にな」
「油断させなかったですね」
「連合軍全体に」
「そうでしたね」
「それが彼の所属している政党全体の要望でだ」
 与党即ち政権を担当している彼等からというのだ。
「彼自身の考えもな、戦争はしてもな」
「出来る限り戦死者を出さない」
「戦傷者もですね」
「出したくなかった」
「出来るだけですね」
「軍人一人育てることにも手間暇がかかり予算もかかる」 
 それが現実である、兵士にしてもただ召集令状で集められるというのはスターリン的思考でありそうして戦場に送っても損害が出るだけでありやがては国家に人がいなくなる。実際ソ連は二次大戦に勝ったが成年男子が極めて少なくなりこれが以後のソ連の崩壊の原因の一つになったとも言われている。
「それに人道的にもな」
「決してですね」
「損害を出したくなかった」
「だからですね」
「将兵の油断をさせず」
「手綱を緩めずですね」
「最後まで戦いを進めたのだ」
 そうしたというのだ。
「彼はな」
「そこが違いますね」
「あの御仁やはり傑物ですね」
「そう言っていいですね」
「政治家、戦略家としては私以上だ」
 アッディーンは八条をこう評した。
「まさにな」
「そこまでの人物ですか」
「優勢でも損害を出さない」
「その為に油断させない」
「そうした人物であり」
「閣下以上にですか」
「政治家、戦略家としてな」
 まさにというのだ。
「そこまでの人物だ、だから我々もな」
「連合軍の様にですね」
「油断はしない」
「今は優勢でも」
「それでもですね」
「そうだ、八条長官を見ているとだ」
 その彼をというのだ。
「襟を正す」
「あの御仁を見ているとですか」
「閣下はそうなりますか」
「襟を正す」
「手本とされますか」
「そうせずにいられない」
 こうまで言うのだった。
「あの御仁は傑物だ、ただしだ」
「ただ?」
「ただといいますと」
「何かありますか」
「彼は政治家だ」
 アッディーンは八条を一言で評した。
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