第二章
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「決してな、だが」
「離れろと言われるではないですか」
「その様に」
「離れろとは言った」
このことは確かだというのだ。
「しかしだ」
「別れろとは言っていない」
「そうだというのですね」
「そうだ、そなた達は夫婦だ」
このことは確かだというのだ。
「これからもな、しかし」
「ですが離れろというのは」
「我等にとっては死ぬことと同じです」
「例え父上に言われてもです」
「私達は離れません」
「それでは周りが困るのだ、周りのことを考えるのだ」
父神は怒って告げた。
「いいな、だからだ」
「離れません」
「私達はこのまま一緒です」
「ずっとです」
「このままいます」
「それはならん、こうなれば」
遂にだ、シュウは怒ってだった。
子供達をその両手で引き離した、そしてだった。
天の神ヌトを上に、地の神ゲブを下にやった。それで言うのだった。
「このままでいよ」
「嫌です」
「離れたくありません」
だが子供達はまだ抵抗した。
「私達は何があっても離れません」
「絶対に」
「もう離した、これからも夫婦だが」
このことは変わらないがというのだ。
「最早そなた達はだ」
「離れ離れになった」
「そうなったというのですね」
「そうだ、まだ手足はつながっているが」
見れば夫婦はまだそのそれぞれの端と端でそうなっていた。
「もうこれで地と天は離れた、そして世界がだ」
「築かれるのですか」
「そうだというのですか」
「そうなった、これからはこうであるのだ」
子供達に告げた、そしてシュウは離れた場所に太陽を入れさせ他のものもそうさせた。すると忽ちのうちにだった。
世界に多くのものが生まれ世界は豊かなものとなった、神々も世界に生まれた多くの命もこのことを喜んだ。
そしてシュウは地の息子と天の娘に言った。
「これでいいのだ、夫婦といえどだ」
「離れねばならないのですか」
「そうなのですか」
「時として抱き締め合うのはいい」
このことはというのだ。
「そこから多くの命も生まれる、しかしだ」
「常にだとですか」
「抱き締め合うことが」
「そうであるならだ」
かつての彼等の様にというのだ。
「何が出来る、だからだ」
「普段は離れるべきですか」
「今の私達の様に」
「地と天が交わることは多くの恵みが生まれることである」
シュウは子供達に告げた。
「だが常にだとだ」
「他には何も出来ない」
「そしてそれが地と天ならですか」
「間に誰も入られない」
「それ故に離れるべきですか」
「そうだ、だからこうしているのだ」
これからもというのだ。
「いいな」
「まだ離れたくないですが」
「そうせざるを得ないのですね」
「その通りだ、だ
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