第二章
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洋館の傍まで来た、すると。
不意にだ、新奈は洋館の方を見て首を傾げさせた。
「誰かいない?」
「まさか噂の幽霊?」
香那実は新奈の話を聞いてそれかと考えた。
「早速出たの」
「いや、何か違うみたいよ」
新奈は洋館の方を見つつ言った。
「洋館のお庭に誰か出たみたいなのよ」
「誰かって」
「ここ外れにあってね」
二人が通っている中学校の近くにだ。
「周りにお家もお店もないわね」
「何もね」
「だから人通りないけれど」
実際二人以外に今ここにはいない、灯りも暗い。
「誰かね」
「いたの」
「幽霊って窓の方に出るのよね」
「噂ではね」
香那実はその通りだと答えた。
「そうよ」
「その窓じゃなくてお庭によ」
「誰かいたの」
「ええ、若しもよ」
新奈は心配になった顔で香那実に話した。
「あそこがドキュンとかの夜の溜まり場になってたら」
「えっ、幽霊はお守りとかで大丈夫だけれど」
新奈の言葉を聞いてだ、香那実は真っ青になって応えた。
「ドキュンはね」
「意味ないわよね、お守りだと」
「こんな人通りのない真夜中で出会ったら」
「何されるかわからないわよ」
「じゃあ行かない方がいい?」
「そうでしょ、変に近寄って」
洋館にというのだ。
「本当にドキュンが団体さんでいたら」
「私達捕まって」
「何されるかわからないわよ」
「それじゃあね」
「行かない方がいいわね」
「帰った方がいいわ」
こう話してだった。
二人は実際にそれ以上洋館の方に近寄らずそのまま家に帰った、その時二人共家族に内緒でこっそり家を出たので帰りもこっそりそれぞれの寝室に入るのに苦労した。
そうした暫く後でだ、洋館だった廃墟であることが起こった。それはというと。
「死体見付かったの!?」
「そう、行方不明になっていた人のね」
香那実は新奈に自分達の部活の朝練前に話した。
「死体がよ」
「見付かったの」
「何でも洋館だった廃墟の土地の持ち主さんが土地売る為に下見に入ったら」
その時にというのだ。
「死体があったのよ」
「その行方不明になっていた人の」
「どうもホームレスになって」
そうしてというのだ。
「ずっとそこでよ」
「暮らしていたの」
「廃墟でも雨露とか凌げて」
それが出来てというのだ。
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