第二章
[8]前話
「今日もな」
「はい、それではです」
「ラー様はそのままです」
「世を照らされて下さい」
「ご自身の務めを果たして下さい」
「そしてもう一つの務めもだ」
それもというのだ。
「果たそう」
「宜しくお願いします」
「それでは」
「船を進めるのだ」
ラーは船を動かす神々にも告げた。
「そしてだ」
「わかりました」
「我等はそうします」
「これからも」
「それではな」
こうした話をしてだった。
ラーは玉座に座り続け世を照らし続けた、そして。
セトとトトは船に迫る大蛇を力を合わせてその手にしている武器で退けていた、そうして他の神々もだった。
船を動かしそれぞれの務めを果たし船を進ませ。
東から西に入っていった、そうしてだった。
昼の時間は終わった、そこでラーは神々に言った。
「これでだ」
「今日もですね」
「務めを果たされましたね」
「世を照らせましたね」
「そしてだ」
ラーは満足した声で言った。
「そなた達を信じられてだ」
「任せて下さいましたね」
「我等の務めを」
「そうしてくれましたね」
「私は神々の主だ」
そうであるというのだ。
「ファラオだ、それならばな」
「我等の務めをですね」
「果たすのを見守ってくれますね」
「安心して」
「任せてくれることもですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「やはりな」
「そのことはですね」
「主であるならですね」
「仕える者の務めを見守る」
「そして信じることもですね」
「主の務めですね」
「そして狼狽えずな」
そうしてというのだ。
「あくまでだ」
「泰然自若」
「玉座に座っておく」
「そうするものですね」
「主が狼狽えてどうする」
こうもだ、ラーは言った。
「一体な」
「そうです、ラー様がそうではです」
「我等も困ります」
トトとラーが言ってきた。
「だからです」
「ラー様が常に玉座におられるので」
こう神々の主に言うのだった。
「我等もです」
「安心して務めを果たします」
「世を照らし仕える者達を信じ狼狽えない」
「そうしたこと全てがですね」
「神々の主の務めですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「それがな、ではな」
「これからもですね」
「その務めを果たされますね」
「そうしていく」
玉座において言った、そしてだった。
ラーは神々の船に乗り空の航海を続けていった、大蛇が来ても戦を任せ航海も同じだった。仕える彼等を信じて玉座に座し世を照らす彼を誰もが心から敬愛した。これがエジプトの神々の主であったのはこの国の神話にある通りである。
ラーの仕事 完
2024・4・12
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