暁 〜小説投稿サイト〜
ラーの仕事
第一章

[2]次話
                ラーの仕事
 神々の王ラーは船に乗ってだった。周りにいる神々に話した。
「ではな」
「今日もですね」
「この船に乗られ」
「そうしてですね」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「務めを果たそう」
「神々の王のですね」
「それを果たされますね」
「そうされますね」
「そうしてな」
 自分が今乗っている船を見回して話した。
「世に光をもたらそう」
「はい、それでは」
「そうしましょう」
「我々はです」
「ラー様と共にいます」
「そして我等の務めを果たします」
「それでだ」
 ここでだ、ラーはこうも言った。
「今日もだ」
「出て来ますね」
「あの者が」
「そうしてきますね」
「そうしてくるからな」
 だからだというのだ。
「宜しく頼む」
「お任せ下さい」
 ラーの傍に立つツチブタの頭を持つ神セトが応えた。
「必ずです」
「我等があの者を抑えます」
 セトと共に立つコウノトリの頭を持つ神トトが応えた。
「そうします」
「頼む、そして私はだ」
「神々の玉座からですね」
「今ラー様が座しておられる」
「日光を出されますね」
「そうされますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「世を光で満たそう」
「わかりました」
「ではです」
「我等は我等の務めを果たしましょう」
「そうしましょう」
 トトとセトは礼儀正しく応えた、そしてだった。
 それぞれ武器を持ちラーの前に立った、そしてだった。
 そのうえでだ、彼等は身構えていたが船の先頭に立つラーの従者が言った。
「来ました」
「そうか、来たか」
「今日も」
 セトもトトも応えた、今船は大空を飛びラーが玉座から太陽を出しその光で世界をあまねく照らしている。
「それならだ」
「我等が戦おう」
「そしてラー様をお護りする」
「今日もな」
「宜しく頼む」
 ラーも彼等に言った。
「それでは私はこのままな」
「お務めを果たして下さい」
「是非」
 二柱の神々はラーに前を見据えたまま応えた。
「我等はこの力で戦いますので」
「ですから」
「それではな」 
 ラーも頷いてだった。
 太陽を出して世を照らし続ける、だが。
 彼と神々が載る船にだ、船の何十倍もある大蛇が迫ってきた、そうしてだった。
 船に襲い掛かってきた、セトはその蛇を見てトトに言った。
「トト、いいな」
「承知している」
 トトはセトに強い声で応えた。
「私もな」
「ならいい、ではな」
「私達はだ」
「今日も共に力を合わせ」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「あの蛇を退けるぞ」
「アポピスを」
「任せた」
 ラーは二柱の神々に眉一つ動かさず告げた。
[2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ