第三章
[8]前話
「外道だよ」
「そうなるね」
「ああ、だからあの親父は」
今話している漫画に出て来る彼はというのだ。
「もうな」
「親じゃないね」
「毒親だよ」
こう言うのだった、そうしてだった。
八奈見も大林も飲んで食べて楽しんだ、その数日後だった。
大林は朝起きてネットであるニュースを見た、そして球場に行って八奈見にそのニュースのことを話した。
「子供の為とか行ってな」
「どうしたんだ?」
「氷点下の時に裸にさせて滝に打たせて」
そうさせてというのだ。
「心臓麻痺になって殺しかけたそうだよ」
「馬鹿だな、その親」
率直な声でだ、八奈見は軽蔑を込めて言った。
「救い様のない」
「うん、児童虐待で訴えられるみたいだよ」
「当然だな、厳しくするとか躾とかな」
「鍛えるとかね」
「必要でもな」
「常識ってあるよね」
「極端なもの、他人を利用する」
八奈見は深刻な顔で述べた。
「そうしたのはな」
「やるべきじゃないよ」
「ああ、教育でもな」
「その通りだね」
「それがわかっていない親もいるな」
「何時でもね」
「じゃあ自分がやってみろ」
八奈見は厳しい顔で言った。
「氷点下の時に裸になってな」
「滝に打たれる」
「それでそれ何時何処でやらせたんだ」
「早朝の青森でね」
「正真正銘の馬鹿だな」
その親についてこうも言った。
「本当にそんな親はな」
「親じゃないね」
「そうだよ、そもそも自分がやられてどうだ」
「真冬の東北で朝から裸で滝を浴びるとか」
「大リーグ何とか付けさせたりな」
「他チームのコーチになって攻撃するとか」
「そんなのはな」
それこそというのだ。
「親じゃない」
「その通りだね」
「ああ、そこまでしたらな」
こう言うのだった、そして練習に入ったが部屋に置かれていた新聞では巨人のニュースが一面にあった。十五連敗とそこには書かれてあった。
もう親じゃない 完
2024・3・15
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