第二章
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「もうな」
「駄目だよね」
「あれだ、ああした漫画の親もな」
「昔だからかな」
「ああ」
そうだというのだ。
「あったんだよ、ただ昔でもな」
「ああした親は」
「普通に毒親だったよ」
「今で言う」
「子供を鍛える為とか言ってな」
それでというのだ。
「ライバルチームのコーチになって」
「嫌がらせしていたね」
「そのチームも利用してだよ」
そのうえでというのだ。
「やっていたな」
「最低だね」
「昔でもあそこまでやったら」
それこそというのだ。
「毒親でもっと言えば」
「もう親じゃない」
「そうだったよ、実際ライオンはな」
この生きものはというのだ。
「そんなことしないからな」
「谷に突き落とすとか」
「やったのは人だよ」
八奈見は言った。
「スパルタだよ」
「ああ、昔のギリシアの」
「あそこは極端だっただろ」
「国民皆兵でね」
「軍事訓練ばかりしていて」
そうしてというのだ。
「こうして酒飲んで何か食うとか」
「しなかったね」
「贅沢だってな」
冷奴を食べつつ言うのだった。
「絶対にアウトの」
「物凄いところだったね」
「あそこは当時でも極端でな」
「今は絶対に出来ないよ」
「人権無視もいいところだからな」
スパルタがやっていることはというのだ。
「だからな」
「論外だね」
「親子がどうとか」
スパルタではだ。
「二の次だっただろ」
「それよりも軍隊だね」
「子供の頃から集団生活だったしな」
そして鍛え上げていたのだ、ここまでしていた国は他にないだけに現代でも言われているのである。
「スパルタ教育って言われるまでに」
「特別だね」
「そりゃ躾も必要だよ」
八奈見は大林に言った。
「子供には、それで鍛えることも」
「教育だね」
「けれど千尋の谷に突き落とすとな」
「もう親じゃないね」
「実際やったら本当に警察沙汰でな」
犯罪になるというのだ。
「そんな犯罪者はな」
「親じゃないね」
「親じゃなくてな」
そうでなくなりというのだ。
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