第一章
[2]次話
マクーニャのチチャ
星間国家連合ではかつての古代の神々への信仰が復活していた、メソポタミアやエジプト、ケルトやスラブの神々への信仰が普通に行われる様になり。
彼等に仕える神官達も出て来ていた、この動きは連合の敵であるエウロパにおいても同じであった。
「神様って蘇るんだな」
「そうだな」
ペルーのインカの建物を模した店の中でだ、若いサラリーマンのアルベルト=マカーニャは同僚のホセ=ハンデロの言葉に頷いていた。二人共縮れた黒髪で浅黒い肌にアジア系の顔である。背は二人共一九〇あるがマカーヤの体格はがっしりとしている。
「昔はキリスト教ばかりだったのが」
「キリスト教はそのままでな」
「古代の神様も復活して」
「信仰もあるな」
「それでだ」
マカーニャは店の服を見つつ同僚に言った。
「服も民族衣装がな」
「人気だな」
「洋服とは別に」
「そうした服もファッションになってるな」
「世の中変わるものだ」
「全くだな」
「それでだ」
マカーニャは自分が着たい服を探しつつハンデロに言った。
「今度神殿に行かないか?」
「神殿?」
「この街の観光地にもなってるな」
「ああ、マンコ=カパックの神殿か」
インカ帝国を統一した皇帝でこの時代のインカの信仰では神格化されていて神にもなっている人物だ。
「あそこか」
「あそこ行ってみるか」
「そうだな」
ハンデロはそれならと応えた。
「そうするか」
「それじゃあな」
「今度の休日な」
「行ってみような」
「そうしような」
こうした話をしてだった。
二人は実際にその神殿に行ってみた、するとインカのレリーフに描かれた神話が古代インカ帝国のそれを模した建物の中にあり。
マンコ=カパックの像もあった、その像はというと。
「現代だな」
「インカだけじゃないんだな」
「現代の様式もあるんだな」
「そこは違うな」
「それに」
マカーニャは共にいるハンデロにこうも言った。
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