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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第212話:揺れ動く心
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TARLIGHT∞SLASHが纏めて切り裂く。その傍らではマリアが銀の短剣と言う取り回しに優れたアームドギアを用いて素早く敵を殲滅していき、一方で響は――彼女達にとっては以前の病院屋上での邂逅が初となる――ヴァネッサを相手に果敢に接近戦を挑んでいた。
「ハッ! トォッ! タァァッ!」
「くっ!?」
ヴァネッサは指先から放つマシンガンで弾幕を張り響を近付けない様にしていたが、元々天性の才能があったのか響は戦いの中で開花させた能力を全開にさせ紙一重で弾幕を潜り抜けヴァネッサに肉薄すると、拳を握り締め殴り掛かり蹴り飛ばす。接近戦に関して言えば響の方に分があったのか、ヴァネッサは彼女の攻撃に防御を崩され腹に蹴りを喰らい大きく後退させられる。
だが攻撃をヒットさせたにも関わらず、響の脳裏に浮かぶのは困惑であった。
――硬いッ!?――
シンフォギアを纏っての一撃は、言うまでもなく並の人間相手には大きなダメージとなる。それを加味して響は相手に攻撃が当たる直前は僅かに加減し致命傷となる事を避けていた。だがしかし、攻撃が当たった瞬間手足から伝わった感触は、生身の人間を攻撃したにしては明らかに硬すぎる感触であった。特に蹴りがまともに入った筈の腹からは、本来人間の体からは聞こえてはいけない筈の金属音のような物が響いた。
そこで響は、改めてアリスが言っていた事を思い出す。
――この人達、人間と別の何かを融合させたかもしれないって言ってた。それじゃあ、やっぱりこの人も……!――
先日調達が説得しようとするもジェネシスの横槍によって失敗に終わったが、その際のミラアルクの反応でやはり彼女達の最終的な目的が普通の人間に戻る事であると言う事は確認済み。であるとすれば、ヴァネッサの行動理由もそれであると確信した響は攻撃を中断してヴァネッサを説得しようと試みた。
「……あなたの目的も、普通の人間に戻る事なんですか?」
「ッ!? 何を……」
痛い所を突かれたと言う様にたじろぐヴァネッサに、響はゆっくりと近付きながら言葉を選んで話し掛ける。
「お願いです、投降してください。悪いようにはしません。私達には、あなた達を治せる人が居るんですッ!」
響の説得に対し、ヴァネッサは明らかに動揺した姿を見せた。ミラアルクから事前に話を聞いていても、やはり彼女達にとって人間に戻れると言う情報はとても重要な意味を持つらしい。他のアルカノイズを倒す傍ら、奏は横目でチラリとヴァネッサの様子を伺っていた。傍から見た感じ、感触は悪くない。揺れ動いている様子のヴァネッサは、あと一押しでこちらに靡きそうな感じだった。
が、しかし…………
『おい、お前……』
「ッ!?!?」
突然ヴァネッサの脳裏に語り掛けるのは、魔法で
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