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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
第24話トリューニヒトの大政略
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ァシルやティアマト、パランティアといったハイネセンの長征前から存在する【銀河連邦サジタリウス準州組】やガラティエ共和国は、アスターテとは文字通り歴史観が異なる。現在の交戦星域‥‥イゼルローン回廊の入り口付近にわずかに作られた植民衛星から産まれた構成邦は文字通り自由惑星同盟の誕生に立ち会ったものたちだ。彼らにとって自由惑星同盟は「育むもの」であった。そして彼らの調停役であり、合意を形成する外交拠点であり、移民をバーラト周辺に送りだす出発地点が、エルゴン【条約機構】でああった。
バーラトや準州組から送り出された人口による植民から構成邦へ昇格したアスターテのような国とは異なり、良くも悪くもバーラトはおろかハイネセンポリスすら対等だと思っているのはこうした歴史背景にある。
さて、閑話休題
「久しいな!俺がアスターテの国防長官をしていた頃はよく訪れたものだが!」
「まったく訪問しないわけでないが弁務官にとっては主要ではないからな、こちらでの活動は、構成邦政府の閣僚がメイン、弁務官としても政務もこちらは選挙区の事務所付き秘書に任せてしまう方が多い」
もちろん年に数度、会戦規模の戦闘や駐留艦隊に被害が起きた場合は、視察のついでに回るし、年始や構成邦の式典で顔を合わせることは多いのだが。
リヴォフ達が向かう先には同盟政府第3総合庁舎の会議室。その外にはうろうろと記者たちがいる。
「目線お願いしまーす!」と声が上がり、リヴォフ達にフラッシュが焚かれる。
「おいおい、爺さんは目が弱いんだぞ!寄ってたかっていじめんでくれ!!」
リヴォフが声を上げると記者たちが声をあげて笑った。
そして笑い声を押しの超えるようによく通る声がリヴォフたちを出迎える
「お久しぶりです!尊敬すべき同盟上院の皆さま方!!」
トリューニヒト国防委員長だ。アイランズ同盟弁務官、ネグロボンディ国防委員会副委員長がいる。
制服組からは、国防委員会防衛部次長のロックウェル中将を筆頭にここの国防支局の幹部たちが疲労の色を浮かべている。
「これから国防政策の改革は必須。次に向けて現場の声を聴こうと思いましてね。出先を回るつもりなのですよ。当然、その第一陣は交戦星域です!!縦深の皆様方のお考えも是非お伺いしたい」
トリューニヒトが笑みを浮かべて手を伸ばす。ロムスキーの頬がひきつった。
??目先の機会としては最高だがここで出せば私の色が濃くなりすぎる。彼らはここで法案提出を公表できない。今はまだ。だがそれでいい、彼らは先に”勧めた馳走を謝絶するしかない”すでに私が有利だ。
「国防環境の変化に向けた対応を歓迎します。大いに期待を」
「ええ、地域の産業を担う方々の期待の内容をお伺いする場です
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