前の世界
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…来い!」
ウィザードはそのまま、ウィザーソードガンでグレムリンへ斬りつけていく。
グレムリンの両手剣は、多段による連撃数によりウィザードよりも斬りつける機会が多い。
だが、ウィザードは自らの体に炎を宿らせる。
グレムリンの攻撃をいなし、必要な場合は左手の掌で刃を食い止める。
さらに、反撃であるウィザーソードガンの斬撃には赤い光が宿り、その威力が跳ね上がっていく。
やがて、最初は互角に見えた戦いも、あっさりとウィザードが優勢になっていく。
「はああああああああっ!」
切り上げた斬撃は炎を宿し、グレムリンの体を吹き飛ばす。
「ぐあっ!」
悲鳴を上げるグレムリン。
その隙に、ウィザードは両手を大きく広げる。全身にみなぎる炎の魔力は、その両手に集約。グレムリンの体を炙るように放たれる。
「うわっ!」
焼き焦がしたままグレムリンを吹き飛ばす炎。
さらに、グレムリンが転がっている間に、ウィザードはソードガンの手を開く。
『フレイム スラッシュストライク』
すさかず発動する炎の斬撃。
十字に切り裂かれたそれは、防御するグレムリンの刃を粉々に吹き飛ばし、本体にも大きなダメージを与える。
ファントムへの変身を解除させ、人間態となったソラは地面に投げ出された。
「ぐ……っ……驚いたなあ、ハルト君」
脱げた帽子を被り直し、ソラはウィザードを睨む。再びグレムリンに変身した彼は、首を左右に振った。
「そんなに強くなられちゃ、流石に僕も勝てないなあ……でもずるいなあ。魔法使いの力とファントムの力って混ぜられるんだ」
「……」
ウィザードはグレムリンの軽口に応じることはなかった。ただ得物の武器を向けたまま、彼の次の動きを睨んでいる。
「まあいいや。丁度君に見せたいものもあったし」
「見せたいもの?」
そうしてグレムリンは、懐からそれを取り出す。
黒い、懐中時計のようなアイテム。
それを見た途端、ウィザードと可奈美は同時に目を見開いた。
「あれは……!」
かつて、ウィザードの力を奪ったものと同質のもの。見滝原中学を異形の空間に変貌させ、さらにその生徒の一人を、偽物のウィザードに変身させたもの。
そして、その中心部に描かれた巨大な蛇の顔を認識した途端、ハルトと可奈美はぞっとした。
「あの蛇って……!」
そして。
グレムリンは___その顔には、ソラの顔さえも見えた___にやりと笑みを浮かべ、そのスイッチを押した。
『ヤマタノオロチ』
グレムリンが懐中時計を起動させると同時に、ガイダンスボイスが流れだす。
紅蓮の力が、グレムリンの緑色の体を包んでいく。
やがて強大な蛇の力は、グレムリン
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