前の世界
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美、えりかは同時にそれぞれのアイテムを手にする。
指輪、御刀、スマホ。それぞれのアイテムを、三人同時に起動。
「変身!」
「写シ!」
___どうか 安寧な記憶を___
『フレイム ドラゴン』
ハルトの体から飛び出す赤いドラゴンの幻影。それはハルトの体を旋回しながら、やがてその身に吸収されていく。
『ボー ボー ボーボーボー』
新たなウィザードの姿、フレイムドラゴン。
それを見たグレムリンは、目を見張った。
「へえ、新しい姿だね。それはウィザードなのかな? それとも……ファントム?」
「両方だ」
ウィザードは答えながら、ウィザーソードガンを手にする。
一方、可奈美の身を包み込む写シ。可奈美をはじめとした刀使が共通して持つ、肉体を霊質変化させるもの。御刀から齎される神秘の力は、隠世より力を刀使へ与えてくれる。
また、時を同じくして、頭上の空間に大きな穴が開く。出現した六つの機械。それぞれ細長い形が特徴のそれは、定められた通りの配置でえりかの腰に装着される。
「えりかちゃん、市長を守ってて。アイツは俺と可奈美ちゃんで倒すから!」
「はい!」
えりかが市長の前に立ったのを確認し、ウィザードと可奈美は頷き合う。
同時に駆け出し、グレムリンへ剣を振り降ろす。
だが、グレムリンはその特徴である高速移動を駆使。
瞬時に二人の剣先より消失し、市長の首元へ回り込む。
「残念! さあ、ついでに絶望してもらおうかな!」
ウィザードとえりかが反射できず、察知した可奈美が急ぐがもう遅い。
そのまま、刃が市長の肉体を貫___
「!」
一瞬、グレムリンの動きが鈍る。
市長の目線を浴びた。それだけに見えるが、一瞬グレムリンの動きが鈍化したように見えた。
「させません!」
えりかの盾が一瞬遅れて割り込み、グレムリンの刃を弾く。
さらに、グレムリンの速度に追いついた可奈美が、横から斬りかかる。
「!」
グレムリンはそのまま可奈美の斬撃を防ぐ。
ウィザード以上に、可奈美の素早さはグレムリンに匹敵する。
すぐさまウィザードには視認できない速度の世界で、可奈美とグレムリンは打ち合いを繰り広げていた。
ウィザードには目で追えない速度の戦い。
だが気のせいか。
すぐ背後の市長は、可奈美たちの動きを目で追えているのではないか。
「迅位斬!」
だが、そんなウィザードの思考は、可奈美の技によって停止された。
可奈美の斬撃が、グレムリンを高速の世界から現実へ叩き落としていた。
「やるね。……さて、君はどうかな?」
グレムリンはウィザードへ剣を向ける。
「…
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