第七百六十一話 大国とはその十
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「本当に科学じゃない」
「左様ですね」
「つまり柳田算数は科学を謳ってか」
「これ以上はないまでに非科学的です」
「進歩しようとしないからだな」
「現代の科学を絶対とすれば」
そう考えると、というのだ。
「その時点で科学ではありません」
「だから空想科学は科学ですらないか」
「はい、全くの無意味であり」
「全く意味のないことを行っている奴としてか」
「反面教師になることによって存在の意味がある」
「そんな下らない奴だな」
「あの人の様になりますと」
その時はというのだ。
「最早です」
「人生終わりだな」
「心からなりたくないわね」
テンボもジャッキーも言った。
「もうね」
「全くだな」
「そうです、そうなれば」
セーラはまた言った。
「もう来世でもです」
「いい人生を送れないな」
「そこまで下らない人生だと」
「そしてだ」
「地獄に落ちなくてもいい来世じゃないわね」
「餓鬼にも生まれないでしょうが」
そうしたことはしていないというのだ、餓鬼は極めた浅ましい行いをして生きた輩がなるものと言えるだろうか。
「しかしです」
「人に生まれ変わっても」
「それでもです」
そうしてもというのだ。
「その人生はです」
「つまらないものか」
「そうなりかねないのね」
「来世で努力すれば」
「いい人生になるか」
「そうなるのね」
「なります」
セーラはテンボとジャッキーに一言で答えた。
「その人生で努力すれば」
「そうなんだな」
「前世のことはあるけれど」
「その人生で努力するとか」
「いい人生になるのね」
「そうです、ですが絶対にです」
それこそという言葉だった。
「そうした人生はです」
「来世で挽回出来てもな」
「送るものじゃないわね」
「下らないものなので」
まさにそれが為にというのだ。
「絶対にです」
「送ったら駄目だな」
「建設的な人生でないとね」
「よくないです」
こう二人に話した。
「もっとも建設的かどうかはわかりにくいですが」
「自分ではか」
「わからないのね」
「そして周りから見ても」
「周りから見てもか」
「わからないの」
「その時に無意味と思われても」
周りからというのだ。
「ですが後になって大きなことを果たした」
「そうした場合もあるか」
「そうなのね」
「はい」
実際にというのだ。
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