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不可能男との約束
青空の下での奇襲
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余りの突然の事態に、武蔵の住民たちは全員が改めて理解した。
自分達は今は追われ、攻撃をされる立場にいるのだと。
覚悟はしていたという在り来たりな思いはあったが、やはり、実際されるとその思いは変わってくる。
その事実は、姫を取り返した後も、ヴェストファーレン条約まで終わらない。
その事実が、三河争乱から二週間の武蔵に攻撃という名の現実が襲ってくる。






「んー。一応、奇襲できたけど……ちょっとだけ、予想より対応が速いなぁ、と……」

声が響いたのは、武蔵を見下ろす位置を飛んでいる三征西班牙(トレス・エスパニア)の艦の上に立っている女性である。
しかし、彼女の足先は掠れて見えない。
霊体。
つまりは死んで、しかし残念があったが故に、この地上に残っている証である。
三征西班牙総長連合所属、第二特務、江良・房栄が同時襲名アルバロ・デ・バサーン。
この場の指揮官である。

『何か知らねえけど、房栄(フサエ)。多分だが、直前に奇襲に気付いて、即座に警戒を促されたらしいぞ』

そんな彼女の近くに十字架組みの表示枠に、同じく足先が掠れて見えない、同じ霊体の三征西班牙総長連合所属、副長、弘中・隆包と同時襲名のアロンソ・ペレス・デ・グスマンである。
ヘルメットを被り、自分は野球選手であるという矜持を見せるかのように持っている武器はバットを神格武装化したものである。
他の副長達とは違い、攻撃ではなく防御に特化した武人である。
そんな隆包を見ながら、房栄は耳に聞こえる爆音などをバックにしながら、それでも笑いかけた。

「タカさんはどうしてだと思う?」

『そういうのはお前の方が得意だろうが』

そう言われると信頼されいる、と勝手に自惚れられるから笑いの色が濃くなってしまう。
それで、戦場から意識を逸らしては不味いので、表示枠を見つつ、戦場の方に意識を咲くことを忘れないように心掛けながら、頭に思い浮かんだ意見を口に出す。

「んー。何個かは考えられるけど、一つはまず武蔵の能力と言う可能性。ぶっちゃけた話、まだ武蔵が戦闘という意味での戦いをしたのは一回だけだから、こっちの収集した情報から漏れた能力を持っている可能性があるという事」

『まぁ、あんだけデカけりゃあ、何らかの装置を着け放題だろうしなぁ。俺だったら変形機能を着けてるぜ』

「タカさんも男の子だねぇ……」

そこら辺は私、合理主義派だし、ちょっと解らないかなぁ、と苦笑し、説明を続ける。

「次は武蔵総長連合、もしくは生徒会の何らかの術式。探査術式でも捜査術式でも、何でもいいけど、こっちの術式レーダーに乗らない神道系の術式。これも、さっきと同じように武蔵の情報が少ないから否定する材料が少ないんだよね」

『慎重なお前が情報少ないで
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