第百三十六話 閉会式の前にその十一
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「先生言ってたわね」
「そうだったわね」
「同じレベルの人達が集まっても」
かな恵は考える顔になって一華に言った。
「中身が違うのね」
「そうね」
一華はかな恵のその言葉に頷いた。
「いい人と悪い人じゃね」
「また違うわね」
「そうね」
その実はというのだ。
「全くね」
「じゃあ私達は」
「友達でないとね」
かな恵にどうかという顔で話した。
「駄目ね」
「そうよね」
「大谷みたいな奴になったら」
それこそというのだ。
「同じ様な嫌われ者としかね」
「付き合えなくて」
「それも利用し合って集まってるだけの」
「何でもないものね」
「友達いないって」
一華はそうした場合のことも話した。
「実は悪い人と付き合うよりは」
「ずっといいわね」
「悪い人と付き合ってもね」
「いいことなんてないわね」
「絶対にね」98
「付き合ったら」
その悪人達と、というのだ。
「朱に混じればで」
「自分も悪くなるわね」
「そうなるよりは」
「一人でいるならね」
「一人でいて」
そうしてというのだ。
「努力していけばね」
「いいわね」
「多分そうしたら」
一華は考えつつだ、かな恵に話した。
「いい人とね」
「会えて」
「そしてね」
そうしてというのだ。
「いいお付き合いがね」
「出来る人と会えるのね」
「友達がいないっていうのは」
それはというと。
「悪いかっていうと」
「そうでもないのね」
「皆いるとか皆やってるとか」
「そういうのと同じ?」
「そうじゃない?一人でもね」
友達と呼べる人がその時おらずともというのだ。
「努力して」
「自分を高めていったら」
「神様が人を引き寄せてくれるのかもね」
「そうしていい人とお会い出来るのね」
「そしてね」
そうしてというのだ。
「お友達にもね」
「なれるのね」
「そうじゃない?別にね」
それこそというのだ。
「友達がいなくて死ぬか」
「そんな筈ないし」
「友達がいるいないでその人の価値が決まるか」
「そうでもないわね」
「友達はステータスじゃなくてね」
その人のというのだ。
「大切な絆よ、宝よ」
「それね」
「その人のそれの一つで」
そうであってというのだ。
「宝と思わない人がいたら」
「それまでね」
「けれど私達は大切なものって思ってるでしょ」
「ええ」
その通りだとだ、かな恵は答えた。
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