第百三十六話 閉会式の前にその四
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「お財布の中にね」
「やっぱりそこね」
「まさか箱ごと鞄の中とか」
「それはね」
かな恵はやや引いた苦笑いで応えた。
「幾ら何でもね」
「露骨よね」
「だからね」
「お財布の中よね」
「流石にそれはなくて」
鞄の中に箱ごとというのだ。
「お財布の中にね」
「それも見えないところにね」
「一つか二つ」
それだけの数をというのだ。
「入れておくわね」
「そうよね」
「それならね」
「いいわね」
「ええ、しかし中学生からは」
かな恵はこのことについてあらためて言った。
「それはね」
「抵抗あるのね」
「早過ぎるってね」
「けれどね」
「それが普通ね」
「武田信玄さん初婚十三歳だしね」
この有名な戦国大名はというのだ。
「奥さん十一歳だし」
「そうだったから」
「私達もね」
「中学生からなのね」
「実際この奥さんすぐに妊娠して」
結婚してというのだ。
「お子さんお腹の中にいる時に」
「あっ、お亡くなりになってたわね」
「それで信玄さんショック受けたそうだし」
「そんなことがあったのね」
「あの人ホモでもあったけれどね」
このことは歴史にはっきりと書かれている、このことは織田信長に上杉謙信そして伊達政宗もおなじである。
「子沢山で」
「十三歳でお子さんね」
「奥さん十一歳で」
「小学生ね、いや確かにね」
かな恵は難しい顔になり口をへの字にし腕を組んで首をやや傾げさせたうえで理虹に対してこう返した。
「初潮もね」
「きてるでしょ」
「十一だとね」
「もうその頃には大体ね」
「だったら」
「小学生でも赤ちゃん産めるのよ」
「実際そんなお話あるしね」
かな恵はそうした話もここで思い出した。
「だったら中学生でゴム持つのは」
「美奈代さん正しいわよ」
「そうなのね」
「本当に何時何があるかわからないから」
「用心で」
「それがわからない馬鹿な先生がいてもね」
それでもというのだ。
「私も持っておくべきだって思うわ」
「中学生でもゴム持つべきね」
「ええ、そしてね」
そのうえでというのだ。
「いざという時はね」
「使うべきね」
「そして難を避けるのよ」
「そうよね」
「確かにゴムあったらね」
一華はその恩恵の話をした。
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