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八条学園騒動記
第七百六十一話 大国とはその四

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「科学は進歩するってね」
「わかることですね」
「今の科学はね」
 それはというと。
「あくまで現時点で」
「そこから進歩しますね」
「それで進歩したらね」
「今は出来ないことも」
「出来るから、巨大ロボットが空で動くことも」 
 そうしたこともというのだ。
「出来るわよ」
「左様ですね」
「二十世紀否定されたらしいけれど」
「今は出来ています」
「普通にね」
「それが科学ですね」
 セーラは静かに言った。
「まさに」
「そうよね」
「今は出来ずとも」
「未来は出来るわね」
「今の科学の知識で未来の科学を否定することはです」
「出来ないわね」
「それが創作の世界のものでも」
 そちらの科学でもというのだ。
「それは子供の夢を壊すどころか」
「そうですらないわね」
「それにも至らない」
 そうしたというのだ。
「まことに無駄で価値のない」
「そんなものよね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そんな才能を持って」
「天才なら」
「これはもう神々が与えた罰か」
「前世でよっぽどなことをした」
「そうではないかとさえ」
 そこまでというのだ。
「思えるものです」
「セーラとしては」
「はい」
 そうだというのだ。
「そう思います」
「そうだな」
「そんな人生送るなんてね」
 テンボとジャッキーも言った。
「何をしたか」
「前世でな」
「そう思える程ね」
「そこまでのものだな」
「そうですね、私もです」
 セーラにしてもだった。
「そんな人生はです」
「送りたくないな」
「本当に」
「科学を語ることは誰でも出来ますが」
「それでもな」
「そうした風に語るとな」
「何にもなりません」
 それこそというのだ。
「何度も申し上げますが」
「無価値で無意味」
「無駄ね」
「まことに世の中実はそうしたものは少ないです」 
 無価値、無意味、無駄なものはというのだ。一見そう見えても実は価値があり意味があり無駄ではないというのだ。
「しかしです」
「そうしたことはか」
「そうしたものね」
「価値があったりするか」
「一見無駄とか思えても」
「ですがそうした行為はです」
 現代の科学の知識で未来の科学を否定することはというのだ。
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