第七十四話 まだ道半ばその十
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「それで形だけでも」
「義経さん達と戦ったらわかるな」
「そやで、ほな行こな」
「義経さん達との戦に」
「今から」
一行はまずは宿屋で一泊して気力と体力を全快させてから神霊達との戦に入った、その戦の最後の相手は源義経だったが。
その素早い動きと天才的な戦術にだ、芥川は思わず息を呑んだ。
「八艘跳びにな」
「凄いセンスやね」
「ああ、僕等の動きをや」
綾乃に息を呑んだうえで話した。
「完全にや」
「読んで動いてくるね」
「そうしてくるわ」
「凄いわ」
「もうこの戦術センスはな」
これはというのだ。
「まさにや」
「天才やね」
「その域や」
「義経さんはそやね」
「ああ、しかしな」
「しかし？」
「天才でもや」
義経がそうであってもというのだ。
「やり方はあるわ」
「勝てるね」
「そや、こっちの弱点や機を瞬時に見抜いて」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「攻めてきてるけど」
「わざと隙を作ってもな」
中里も言ってきた。
「罠と見抜いて乗ってこんけどやな」
「勝てる」
芥川は中里にも話した。
「そや」
「それが出来るな」
「ああ、幾ら義経さんが三面六臂に匹敵しても」
それだけの天才的な戦術センスを備えていてもというのだ。
「もっと言えば九面でや」
「顔が九つでか」
「腕が十八本あってもや」
「十面やないか」
「もっと言えば例え千面千手になっても」
芥川はこうまで言った。
「防げんものがある、この人の弱点はな」
「義経さんのか」
「一点集中タイプってことや」
「全体攻撃は仕掛けてきいひんな」
「仕掛けてきてもな」
「多ないな」
「そや、僕達はここはそれぞれの乗る神具と別れてな」
今は誰もが乗っている、そして空を舞い戦っている。
「それぞれが攻撃し分身もや」
「することやな」
「こうしてな」
芥川は言ってだった。
自ら分身してみせた、一人の芥川が二人三人そして遂には十人になった。その状況になって言うのだった。
「分身してな」
「そしてやな」
「全員でや」
「攻めるか」
「そや」
まさにというのだ。
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