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おぢばにおかえり
第八十二話 三人でのひのきしんその十

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「物凄いね」
「毒なんですか」
「だから悪いことはね」
 りっぷく等です、新一君のうらみ、はらだち、にくいもです。
「思わないことよ」
「それがいいんですね」
「毒なんか吐いてばかりだと」 
 それならです。
「自分にもよ」
「悪いですね」
「そうよ、毒蛇とか河豚じゃないんだから」
 そうした毒を持っている生きものとはです。
「そうした生きものは別にね」
「自分の毒でどうにかならないですね」
「ええ、けれどね」
「自分がりっぷくした時の息が毒だと」
「自分の身体そして心もね」 
 その両方がです。
「かなりね」
「毒にやられていますね」
「そうよ」 
 まさにです。
「そうなっているからね」
「りっぷくしないことですね」
「それでね」
「いかり、うらみ、はらだちも」
「その三つもね」
 新一君がいつも出す八つのほこりのうちの三つもです。
「毒だから」
「よくないんですね」
「だからよ」
「僕はそうしたものをなくしていくことですね」
「そうしていってね、自分にも悪いから」
「りっぷくやほこりは自分の毒にもなる、ですね」
「その通りよ、それでね」
 私は新一君にさらに言いました。
「三人で回廊ひのきしんでね」
「一緒にさせてもらって」
「回廊を奇麗にしてね」
「それで汗もかいて」
「先輩も見てね」
「わかりました、ただ」
 新一君はここでこうも言いました。
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