第二十七話 実家に着いてその八
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「安かったからな」
「買っておいてくれたのね」
「そうだ、たっぷりあるからな」
「お寿司にお刺身に天婦羅もで」
「お味噌汁もでな」
「お酒もなのね」
「だから好きなだけな」
上の娘に飲みつつ話した。
「飲むんだぞ」
「そうさせてもらうわね」
「実家に帰ったらな」
また飲んだ、次第に顔が赤くなっていく中で話した。
「好きなだけくつろぐんだ」
「そうしていいの」
「そうだ、実家なんだからな」
「変な理屈ね」
「理屈なんていらないんだ」
「いらないの」
「こうした時はな」
こう言うのだった。
「もうな」
「そうなの」
「そうだ、理屈は時としてな」
それこそというのだ。
「いらないんだ」
「理屈抜きで楽しんでいいの」
「くつろいでな、こうした時はいいんだ」
「実家にいる時とか」
「そうだ、くつろいでいい場所ってあるだろ」
「それが実家ね」
「そうだ、あと自分の部屋もだな」
こちらもというのだ。
「くつろいでな」
「いいのね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「好きなだけな」
「くつろいでいいのね」
「佐京君達もだぞ」
秀樹は佐京達にも言った、兄妹は姉妹と違い何処か畏まって遠慮している感じで飲んで食べているがその二人に言ったのだ。
「もうな」
「くつろいでいいですか」
「私達の子供になるんだ」
だからだというのだ。
「いいぞ、何なら孫もな」
「連れててね」
朝華も言ってきた。
「そうしてね」
「ちょ、ちょっとお父さん」
佐京は二人の言葉に息を止めた、その彼とは別に夜空が顔を赤くさせて両親に言った。顔は既に酒で赤くなっていたがその他のことでも赤くなった。
「お母さんも。何言ってるのよ」
「いや、結婚したらな」
「やっぱりね」
両親はその娘に笑って返した。
「孫でしょ」
「二人にとっては子供だな」
「結婚は大学を卒業してからで」
このことを生真面目に言うのだった。
「そして就職して」
「落ち着きまして」
佐京も酒以外のことでも顔を赤くさせて話した。
「それからです」
「結婚するのか」
「そのつもりなのね」
「もうそれ言ったわよね」
夜空は両親にその赤い顔のまま問うた。
「そうでしょ」
「それはね」
「そうだな」
両親もそのことを認めた。
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