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金木犀の許嫁
第二十七話 実家に着いてその三

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「やはりです」
「使われますか」
「他のお家の方なので」
「だからですか」
「礼儀は守らないといけないので」
 そう考えるからだというのだ。
「ですから」
「私にはですか」
「これからもです」
「敬語を使われるのですね」
「はい、ただ幸雄さんが言われるなら畏まることは」
 それはというのだった。
「控えます、娘達の家族として」
「接して下さいますか」
「そうさせて頂きます」
「そうですか、それでは」
 二人で話してだった。
 五人は家に上げてもらった、五人はすぐに家のリビングに案内してもらった。その途中に姉妹の父が来て言ってきた。
「いや、すいません」
「お父さんどうしたの?」
「急に来たけれど」
「いや、さっきまで用意していたんだ」
 父は娘達に答えた。
「おもてなしのな」
「そうだったの」
「その途中で皆来たんだ」
「それでお母さんが出たのよ」
 母も言って来た。
「先にね」
「そうだったのね」
「それでお父さん今来たのね」
「ああ、幸雄さんには申し訳ないが」
「いえ、お気遣いなく」
 幸雄は今もこう言った。
「本当に」
「いいですか」
「はい、気遣いをされることは」 
 どうにもというのだった。
「恐縮しますので」
「だからですか」
「本当にです」
 まさにというのだ。
「そこはです」
「普通にですね」
「接して下さい」
「そうですか、ですが敬語は」
「他の家の人だからですか」
「そうです」
 それでというのだ。
「使わせて頂きます」
「そうですか」
「家族なら」
 二人の父は幸雄にこうも言った。
「流石にです」
「敬語は使われないですね」
「佐京君や白華ちゃんの様に」
「接せられますか」
「その時は」
「そうなのですね」
「実際にです」
 白華が言ってきた。
「お二人は私も娘みたいにです」
「お話してくれますか」
「お電話でそうしてくれます」
「俺なんか」
 佐京も微笑んで話した。
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