第13話:長期戦が足りない……
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で……カイジンニキス港国を襲った『水源』に対してどう突撃しようかと話し合っているのだが……
豊臣秀吉はあんな化物の様な城相手に正攻法なんかしとうないぞ!
「ですが!このままあの島を野放しにすれば、カイジンニキス港国が灰燼に帰してしまいますぞ!」
「だが、あの島に近付くのはかなり難しいかと」
「では何か!?あの島を野放しにしろと言うのか!?」
「あの島を野放しにするなと言ったのは貴方ですぞ?だからこそ、今回の突撃は慎重かつ丁寧に―――」
「その間も、カイジンニキス港国はあの島からの投石によってどんどん壊されておるのですぞ!」
「だからこそあの島に絶対に勝たねばならないんでしょうか!」
ドウカァー、アンタ少しうるさい。
あれは間違いなく多数の大筒を備えた鉄甲船!しかも、甲板に農村を乗せているから兵糧攻め対策も完璧!
正に……海の上を移動する小田原城……
アニマが必死に例の鉄甲船の弱点を探しておる様じゃが……流石に今回ばかりは期待がまったくできん!
エイジオブ帝国にその様な切り札が有るとはねぇ……
……駄目だ……豊臣秀吉ですら良いアイデアがまったく浮かばん!
「トクミツ殿、其方の慎重論もよく解りますが、やはりカイジンニキス港国を破壊して回っている島を急ぎ倒して欲しいのだ」
サカシラ兄上!?アンタいったい何を言ってんの!?
「何でそんなに急がれるのですか!?あの島に敗ければ、今までの戦いは全て無駄になりますぞ!」
トクミツの言葉に、サカシラ兄上は困った感じで溜息を吐いた。
「時間が無いのだ」
「時間とは?」
「このままでは、カイジンニキス港国がエイジオブ帝国に下るかもしれんと言う事だ。そうなる前にあの島と決着を着けねば、我々ムソーウ王国は今度こそジリ貧になる」
……その手があったか……
あの化物の様な馬鹿デカい鉄甲船相手に短期決戦なんかしとうないのに……
ムソーウ王国が農村搭載機動キャノンガリオン船『スイゲン』とどう戦うかを悩んでいる中、当のスイゲン市長のメッガーネが自信満々に自身の自己分析をヨツメに聴かせていた。
「つまりです。オラウ・タ・ムソーウが他のムソーウ王国将校とは比べ物にならない程強敵なのは、彼女が長期戦が得意だからなのです」
「何を言っておる?ムソーウ王国の常套手段をもう忘れたか?」
「もう忘れたのはオラウの方です。その証拠に……ヨツメさん、貴方が滞在していた砦は何度オラウに突撃されましたか?」
「ぐ!……」
確かに、メッガーネの言う通りオラウはムソーウ王国伝統の無謀な突撃戦法を無能だと忌み嫌っていた。
「だ……だが、突撃以外の戦法が出来ない状態で砦に長期戦を挑んで、オラウの奴に何の得が有る?」
見苦しい言い訳を繰り返すヨツメに対し、メッガーネは皮肉を込めた質問をし
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