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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第43話
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いた部隊”ってまさか…………」

「オイオイ、さり気なくオレ様たちにも黙っていたとんでもない経歴が判明したじゃねぇか、オッサン。」

「……………………」

シェリド公太子の問いかけを聞いてヴァンの3年前の”経歴”を察したジュディスは困惑の表情で声を上げ、アニエスとニナは呆けた声を出し、フェリは驚きの表情を浮かべ、アーロンは興味ありげな様子でヴァンを見つめて指摘し、リゼットは静かな表情で目を伏せて黙り込んでいた。

「それ以上は勘弁して下さい、殿下。それに”かの部隊の一員”とは言ってもあくまで”当時の業務”の関係上臨時的にそうなってしまっただけの話で、所属していた期間も僅かな日数でしたから、そんな俺が英雄達の威を借りるみたいな三国のお偉いさん達から睨まれそうな命知らずなことはできませんよ。」

一方ヴァンは肩をすくめた後疲れた表情でシェリド公太子に指摘した。

「フフ、そうかい?しかし…………なるほど噂通りの面々のようだ――――――そちらの臨時スタッフも含めてね。」

ヴァンの答えを聞いたシェリド公太子は興味ありげな様子でアニエス達を見回した。

「恐れ入ります。」

「…………?」

「ハッ、一国の跡継ぎとこんな所で出くわすとはな。」

「映画祭のスポンサーという話は聞いていましたけど…………まさか、そのような方にまで脅迫状が届けられていたなんて。」

「…………間違いありません、私達に届いたものと同じ文面です。」

アニエスは信じられない表情で机に置かれた脅迫状を見つめ、ニナは真剣な表情で脅迫状を見つめながら答えた。

「殿下の宿泊するグランスイートに届いたのは5日前――――――あたしたちとほぼ同時期ね。すると旧首都とサルバッドに同時に送り付けたことになるのか…………」

「すぐさま調査を手配しましたが、郵送でのルートも未だ辿れていません。巧妙な偽装が施されているようです。」

「サァラさんの時と同じみたいですね…………」

ナージェの話を聞いたフェリはサァラに届いた脅迫状の事を思い返した。



「私が監督に推薦した、踊り子の彼女だね。そちらにも先ほど届いたそうだが…………昼間スカウトした直後に届くというのはいくらなんでも早すぎるし、入念すぎる。やはりただの悪戯とは考えにくいと思うんだが…………どうかな?」

「ええ、それについては同感です。そもそも殿下に届いている時点でただの悪戯の線はあり得ないでしょう。」

「クク、でなけりゃよっぽど、肝が据わってるか馬鹿のどちらかだな。しかし、そんなのが送り付けられた割にずいぶん余裕そうだな、アンタ?俺らみたいなのに近づくのも含めて――――――よっぽどその姉さんを信頼してんのか?」

シェリド公太子の意見にヴァンは頷いて同意
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