第二章
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「純粋でね」
「家族を信じるんだな」
「一旦信じたら」
「最後まで信じるか」
「そうよ、ただ悪い人とわかったら」
その時はというと。
「もうね」
「信じないか」
「一回ふわりの動画に人気が出て」
「今も沢山の人が登録して観てくれてるな」
「その時あの人達来たわね」
ふわりの前の家族達がというのだ。
「そうだったわね」
「あの時か」
「そう、あの時ふわりにどう見えたか」
「図々しかったな」
「邪魔だから捨ててね」
保健所にというのだ。
「人気が出たからもう一度飼うとか」
「ふざけてたな」
「そんな人達がどう見えていたか」
ふわりにはというのだ。
「一体ね」
「言うまでもないな」
洋介はすぐに答えた。
「もう」
「悪人それもね」
百合子はさらに言った。
「性根の腐り果てた」
「そんな連中に見えていたな」
「絶対にね」
そうだったというのだ。
「もうね」
「やっぱりそうだよな」
「それでね」
息子にさらに話した。
「ふわりあの時近寄らなかったでしょ」
「絶対にな」
「犬はわかるのよ」
「いいことと悪いことがか」
「そしていい人と悪い人がね」
「善悪がわかるんだな」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そうした子達なのよ」
「成程な」
「だからね」
そうした生きものだからだというのだ。
「大切にしていかないと駄目よ」
「そうだな、ふわりだってな」
「家族でそうした娘だって理解して」
「一緒にな」
「暮していきましょう」
「ワンッ」
二人がそうした話をしているとだった。
ふわりはテレビを観ている中で鳴いた、明るい声だったがテレビでは時代劇をやっていて主人公が悪者達を成敗している場面だった、その場面に喝采を送る様に鳴いている彼女を見て二人はやはり善悪がわかると頷いたのだった。
犬も善悪がわかる 完
２０２４・７・２３
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