第一章
[2]次話
郵便局員のミミズク
その白いミミズクを見つつだ、ロシアのスモレンスクで暮らしている鳥類学者のニーカ=テレシコア茶色の長い髪の毛をポニーテールにしている青い目の若い女性である彼女は家に来た友人に笑顔で話した。
「この通りね」
「クァッ」
そのミミズク、ヨールという名前の雄の彼を見つつ話していった。
「気が向くとね」
「お手紙咥えて持って来てくれるの」
「そうなの」
友人に笑顔で話した。
「可愛いでしょ」
「ええ」
友人は笑顔で答えた。
「それに面白いわ」
「ハリー=ポッターかね」
この映画か、というのだ。
「ドリトル先生でしょ」
「そうね、そんな子がいるのね」
「実際にね、ただね」
ニーカはこんなことも言った。
「あくまで気が向くとね」
「機嫌が悪いとなの」
「むしろ意地悪してね」
そうしてというのだ。
「私を無視したりするのよ」
「気ままな子なのね」
「そうなのよ」
こう話のだった。
「この子はね」
「そこは違うわね」
友人はその話を聞いて言った。
「ヘドウィグとは」
「ハリー=ポッターのね」
「それでトートーともね」
「私はハリーでもドリトル先生でもないしね」
ニーカは自分からこう言った。
「だからね」
「そのことはなのね」
「もうね」
それこそというのだった。
「受け入れてるわ」
「そうなのね」
「それでね」
そのうえでというのだった。
「私は私でね」
「ヨールと一緒にいるのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「これからもね」
「そうするのね」
「ええ、楽しくね」
こう話した、そしてだった。
この話をイギリスのノーザンバーランドで聞いた有機農家のピーター=ミドルドンは言った。黒髪と濃い顔中にある黒髭と黒い目が印象的な初老の大柄な男である。
彼は自分が運営している梟の保護団体トルーウィトレー=アウル=トラストの施設内でスタッフにヨールの話をした。
そしてだ、こう言ったのだった。
「その子はミミズクだが」
「同じですからね」
スタッフはこう返した。
「結局は」
「梟とね」
「同じ仲間ですからね」
「耳が目立つかどうか」
それがというのだ。
「違いでね」
「外見はそっくりで」
「生態系もね」
これもというのだ。
「そっくりだから」
「同じと言っていいですね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
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