第八十七部第一章 シャイターンの復活その七
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「通常で考えるとな」
「裏切りでないとですね」
「味方の陣地内からの攻撃なぞ」
「その様なことは」
「到底ですね」
「だが密かに姿を見せず陣地内に潜入し」
そうしてというのだ。
「姿を隠したままだ」
「攻撃すればどうか」
「まさに潜水艦の様に」
「その様にすればですね」
「それも可能だ、オムダーマン軍はそれを行ってだ」
その様にしてというのだ。
「勝利を収めたのだ」
「そうなのですね」
「ではその潜水艦によってですか」
「我々は敗れてきたのですか」
「そうですか」
「オムダーマン軍の艦隊の動きもだ」
戦局の経緯の報告を読めばというのだ。
「まさにそれがだ」
「出ていますか」
「実際に」
「そうなのですか」
「そう見える、潜水艦の艦隊と動きを合わせている」
国境そして第二次防衛ライン攻撃時のオムダーマン軍の動きはというのだ、シャイターンはそれを感じ取っていた。
「まさにな」
「ではですね」
「それはですか」
「既にですか」
「潜水艦の攻撃があり」
そしてというのだ。
「それで戦線に穴が開いた時を攻めている」
「ではそれを待っていますか」
「彼等は」
「そうなのですか」
「そうした動きだ」
敬意を見ながらさらに話した。
「これはな」
「ではですね」
「オムダーマン軍は最初から考えていたのですね」
「潜水艦を使うことを」
「この戦争において」
「そうだろう、そして」
シャイターンはさらに言った。
「私の好きを窺ってだ」
「そうしてですか」
「攻めることを考えていた」
「この戦争がはじまってから」
「そうでしたか」
「この動き私ならわかる」
戦局の動きを見てさらに話した。
「オムダーマン軍のこの動きはだ」
「潜水艦の動きを念頭に入れ」
「協同していた」
「そうして攻めるつもりでしたか」
「オムダーマン軍は」
「これは私ならわかるが」
シャイターンは冷徹な声で述べた。
「逆に言えばだ」
「閣下でないとですね」
「おわかりになれない」
「そうしたものですか」
「そうした動きだ」
こう言うのだった。
「オムダーマン軍の動きはな」
「伏兵を用いていて」
「その伏兵と動きを合わせている」
「そうしたものであると」
「私ならわかるが」
シャイターンはまたこう言った。
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