第七十四話 まだ道半ばその四
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「あれがあってな」
「あれどう見てもかさばって」
「持ち運ぶ時にな」
「輸送にも億劫やね」
「作る時もな」
「その分コストや手間かかるし」
「面倒や、しかもな」
メルヴィルはさらに話した。
「危ないわ」
「先尖ってるし」
「傍に置いておいて間違ってその上に座ったら」
「お尻怪我したりするし」
「他にもな」
「怪我の原因になるね」
「そうなるわ」
このヘルメットは一次大戦まで用いられていた、だが二次大戦の時はそのパイクを取り除いたものを用いていた。
「あのパイクは」
「そやね」
「まさか敵に頭突きして刺すか」
「そんな筈ないし」
「只の格好付けでな」
「パイク付けてたね」
「あれもな」
そのパイクもというのだ。
「あかんわ」
「そやね」
「恰好は必要でもな」
「それを最優先させたら」
「何かとな」
それはそれでというのだ。
「不都合が出るわ」
「そやね」
綾乃も確かにと頷いた。
「そうなるわ」
「そこは気を付けへんとな」
「恰好と実用性を両立させる」
「それが大事や」
「ほんまそやね」
「そやからうちはな」
十星連合軍はとだ、メルヴィルは話した。
「その両立をな」
「考えてるね」
「そや」
まさにというのだ。
「軍全体でな」
「軍服についてもそうで」
「装備も兵器もな」
「両方考えてるね」
「行進にしても」
軍では絶対にあるこれもというのだ。
「恰好もな」
「大事にしてるね」
「普通の行進やけどな」
「ちゃんと歩けて」
「恰好ええ様にしてるわ」
「起きた世界やと」
綾乃はこちらの話もした。
「北朝鮮の行進が有名やけど」
「あれな」
「あれは変に目立つだけで」
「変やしな」
恰好良いのではなくとだ、メルヴィルは言い切った。
「しかもどう見ても膝に悪いわ」
「そやね」
「足を変に上げてな」
「それで歩くさかい」
「あれ家鴨足行進や」
トウェインが言ってきた。
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