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空港の店
第一章

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               空港の店
 とある国際空港を利用してだ、サラリーマンの草薙国光は思った。面長ですっきりとした顔立ちで黒髪をセットしている。背は一七七位ですらりとしていてスーツが実によく似合っている。今彼は海外出張から帰ったところだ。
 それで空港のブティックを見てだ、一緒に出張して仕事をした上司の南郷安正ラガーマンの様に大柄で逞しい身体で岩の様な顔立ちだが優しい目で黒く短い髪の毛の彼に言った。
「ああしたところで働くって」
「いいと思うかい?」
「お洒落ですよね」
 こう言うのだった、空港の中で。
「本当に」
「それはね」
 南郷も確かにと頷いた。
「その通りだね」
「そうですね」
「ここは国際空港だから」
 南郷はそれでと話した。
「働いている人は外国語も話せるし」
「英語とか中国語とか」
「そう、まるでね」
 こうも言ったのだった。
「フライトアテンダントの人みたいに」
「喋れますね」
「外国からのお客さんも多いしね」
「だからですね、何かです」
 草薙は如何にも高級そうな店内とその中で働いている店員達それに外国から来たと思われる客達を見て言った。
「違う世界みたいですね」
「そう思うかい?」
「はい、いや」
 ここでだ、草薙は店の名前を見て言った。
「あれうちのグループですか」
「八条グループのね」
「そうですね」
「うちアパレルとかもやってるからね」 
 南郷はそれでと話した。
「ああしたお店もだよ」
「やってますね」
「そうだよ」
「そうですか、どんなお店かと思ったら」
 草薙はそれはと述べた。
「うちの系列ですか」
「そうだね」
「何か興味湧いてきたんで」
 草薙は南郷にそれでと話した。
「お店入っていいですか?」
「何か買うのかい?」
「男性用の商品も売ってるみたいですし」
 店内を見ればそうだった。
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