第四章
36.ロンダルキアの最終兵器
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た、まさに地獄の業火のようであった。
炎がやんだ直後も、彼女はその場で体を後弓反張させたまま、硬直していた。目は見開かれ、口は開いたまま痙攣していた。
そして着ていた服の全体が、火花どころか無数の小爆発を起こした。
ついには、服全体が光り輝き…………
……四散した。
「ぅ……ぁ……」
肌着姿となり、顔だけでなく四肢も褐色の肌を露出させた彼女。
口からかすかな声を漏らし、全身からうっすらと煙をあげながら、ゆっくりと後ろに倒れた。
「脱げた……? 仕組みはよくわからないけど、ダメージの蓄積が限界に達した感じなのかな」
サマルトリアの王子がそんな考察をするが、バーサーカーの少女はもはや答えることすらできなかった。
「……ぁ……ぐ……ぅっ…………――――」
彼女はなおも起きあがろうとしたが、ついにはうめき声すらも途絶え、四肢が弛緩した。
完全に気を失ったようだ。
「これでみんな戦闘不能かな」
もちろん緑の魔法戦士は剣を仕舞わない。
「かわいそうだけど、ここにいる全員の首をしっかり胴体から切り離すよ。そうしないと本当の終わりは来ない」
まずはバーサーカーの少女から。
隼の剣を光らせ、サマルトリアの王子がゆっくりと近づこうとした。
「待った!」
緑の魔法戦士の足が動き始めたところで、背後から声がかかった。
「君は……」
振り向くと、一人の魔術師。タクトである。
手に持っているのは杖ではない。これまた適当に拾ったスカルナイトの剣と盾だった。
「まだおれがいるよ!」
「ただの荷物持ちでしょ。素直に首を差し出してほしいな」
「そう見せかけて、戦闘要員でもあるのさ!」
「へえ。非戦闘員じゃないなら戦うけど」
「それも待った!」
「え?」
タクトは仮面を外し、後ろに放り投げた。
短い髪と若い顔が露わとなる。
「こういうときはまず自己紹介からだよね! おれは上の世界から……あ、正確に言えば上の世界のちょっと上から、えーっと、雲よりも高いところから来たよ……って言っても君には全然わからないよね! でも、君たちのご先祖である勇者ロトが生まれた世界に限りなく近いところって言えばまあまあイメージできるよね!? おれはキラーマシーンを作った人たちの末裔にあたるから、いちおう仕組みも本で読んで知ってたし、命令して自在に動かすこともできる。停止した個体に命を吹き込むことだって可能! 大灯台で君が見た個体だって、今ロンダルキアが持っているキラーマシーンたちだって、全部おれが蘇らせたものだよ! あとはフォル君がロンダルキアでローレシアの王子に襲われていたときに空中からどかーんとやって援護して助けたのも、お
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