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邪教、引き継ぎます
第四章
36.ロンダルキアの最終兵器
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 なんとか起き上がったときには、もうサマルトリアの王子は目の前にいた。

「うう゛あ゛ぁっッ!」

 隼の剣を振り上げられ、火花を散らしながら空中を舞う。
 まったく受け身がとれず体がバウンドし、右手から斧が、左手から盾が、離れてしまった。

 それを見たサマルトリアの王子は、彼女の腹部を力強く踏みつけた。

「はうあ゛っ」

 服が頑丈でも、圧はしっかり中に伝わる。
 彼女は両足をバタつかせながら、腹部にめり込む足を両手で引き離そうとする。しかし力が及ばない。
 サマルトリアの王子はさらに足に力を込めた。

「ぐふっぁッ……う゛ぐぁッ!」
「耐久力があってもそれだけじゃ厳しいんだよね。粘ったところで倒れるのが先延ばしになるだけだから」

 そして今度は思いっきり蹴り飛ばされた。

「あぐうああッ」

 鍛え抜かれた、それでいて十代の少女らしい柔らかなラインも残っている体が、またも宙を舞う。
 大きな石のようにゴロゴロと転がって、とまった。

「ぅ……ぐ……ァッ……ぅッ……ね、粘って……戦い続ければ……いいこと……あるかも……しれないだろ……」

 斧がどこかに行ってしまったため、転がった先に落ちていたスカルナイトの剣を拾いながら、なおも彼女は起き上がった。

「なるほど。バーサーカーは戦闘民族だったね。その考え自体は正しいと思うし、尊敬もするよ。ただ――」

 足はフラフラで力が入っていない。拾った剣を杖の代わりにして、やっと立っているような状態だった。
 服には、細い煙をあげている箇所や、火花で明滅している箇所が無数にあった。

「見た感じはもうそろそろ限界、かな。君が先なのか、その不思議な装備が先なのか、わからないけどさ」

 隼の剣が炎を纏う。これまでで一番の火力のようにも見えた。

「ベギラマ」

 すでに満身創痍なバーサーカーの少女に、逃れるすべは残されていなかった。

「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ゛あ゛あああ゛あ゛あああああああああ゛あ゛あああ゛あ゛あああう゛ああああああああああああああああああああああッう゛あ゛あああっッあ゛あああああああ゛あああ゛ああああ゛あああああああ゛あ゛あっああああああああああああ゛あ゛あああああああああ゛あ゛ああああああああああああああああああ゛あああ゛あああああああああああああああああああアアアアアアア――――!!」
「しぇ、シェーラちゃん!!」

 体を反らし断末魔のような声をあげる彼女。
 タクトの悲痛な声も交じり、洞内に響き渡る。

 サマルトリアの王子の本気のベギラマは、直接当たった炎だけでなく、通り過ぎた炎すらも彼女の体を巻いて包み込んでくるようであった。爆風で倒れることすら許さぬという意思を持っ
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