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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第211話:非情にして無情
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ネッサの必死の抗議も、メデューサの一言で封殺される。確かに、埠頭での不始末が原因でミラアルクが窮地に陥り、その始末をつける為向かったオーガが重傷を負い結果こうなった。因果関係は明らかであり、そこを突かれるとヴァネッサとしてもぐうの音も出なくなってしまう。
 それでも何とか、せめてミラアルクとエルザだけでも見逃してもらおうと彼女はワイズマンに懇願する。

「と、チャンスをッ! 今一度チャンスをくださいッ! 次こそは、必ず……!」
「いいだろう」

 驚いた事にワイズマンはあっさりと懇願を承諾し、オーガを下がらせた。その呆気なさにヴァネッサ達は逆に呆気に取られて口をポカンと開けてしまう。

「あ、え……本当、に……?」
「うむ。確かにオーガがこうなった事の遠因は君らの不始末にある。だが不始末を追求するのであれば、もっと別の者が居ると気付いたのでね」

 そう言ってワイズマンが指を鳴らすと、彼とオーガを残して他の魔法使いは一斉に姿を消した。その光景に唖然としていると、ワイズマンはオーガを伴ってその場を離れながら言葉を続けた。

「来客があるのだろう? 早く準備したまえ」

 ワイズマンとオーガは静かにその場から姿を消した。だが彼らが居なくなった後も、ヴァネッサ達は今目にした光景のあまりの恐ろしさに全身を鎖で縛られた様にその場から動く事が出来ずにいた。




***




 不穏な雰囲気を崩さぬジェネシスとノーブルレッドに対して、S.O.N.G.の方も決して明るい雰囲気を維持しているとは言い難い状態であった。

「ジェネシスに、元パヴァリアの錬金術師の残党……こうも後手に回らされるとはな」

 苦い顔をした弦十郎の言葉が発令所に静かに響く。それも分からないではない。南極での騒動を発端としたかのようなこれまでの戦闘は、いずれも決して勝てないと言う戦いではなかった。

 ジェネシスに対しては仕方がない。連中は潜伏している間に練兵し、その戦力を増強させた。加えて今まで伏せていた幹部を呼び寄せ、こちらの戦力に対抗しようとしている。幹部と練度を上げた魔法使いが組み合わされば、なるほど確かに厄介で負けはしなくても勝てないのは無理からぬことと思えなくもない。
 だが錬金術師達に関しては話が別だ。実際に戦った感想ではあるが、エルザもミラアルクも、どちらも以前戦ったサンジェルマン達に比べれば単純な戦闘力では劣っている印象しかない。稀血と言うアキレス腱により戦闘に制限が掛かる事を加味しても、正面からのぶつかり合いでなら勝てると思わせる戦いだったのだ。

 その最大の要因は、やはり敵の動きの読め無さにあった。

「しゃーないって、旦那。ジェネシスは勿論、あの3人に関してもアタシらは分からない事ばかりだったんだ。ま
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