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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
回想――出会い
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身を守る唯一の力である以上、おいそれと他人に後悔するわけにはいかない。
攻略組を目指していないプレイヤーでも知っているような当たり前の知識であり,当然攻略組として名を連ねているキリトにとっても、簡単に教えられるものではない。
しかし、彼らなら他人へと情報を流すこと無いだろう、と判断して、そっと本当のレベルを口にした。
そのレベルはケイタ達の平均を20近く上回っていた。
ケイタが大きく目を見開いた。

「凄いですね・・・・・・」
「俺と同じくらいのレベルの奴なんて攻略組ならいくらでもいるよ」

例えばアスカとか。
なんて、真っ先にボス攻略命の男の名を浮かべたキリトは慌てて思考を止める。
いくらでもいる、なんて嘘だ。
最前線の階層+15レベルも上げているプレイヤーなんて本当は数えるほど。
けれども、そんなことで無為な注目を集めたくもなかった。
これ以上、自分への尊敬の目が集まって欲しくなかった。



その後も、ケイタやダッカーを中心に数多くの質問(ほとんどが攻略組に関してのこと)をされて、可能な限り答えながら道を歩いていた。
キリトは〈索敵スキル〉をOFFにしていた。
この階層のモンスターならダメージをもらっても〈バトルヒーリングスキル〉だけで長時間耐えられるほどだ。
それに大勢の目がある状況ではあまり〈索敵スキル〉も効果を発揮しない。
全方向に注意を向けられるからだ。パーティーで〈索敵スキル〉が重要視されない所以だ。

そんな理由で〈索敵スキル〉を切っていたことをキリトは死ぬほど後悔した。

ひゅん、と頭上の木から何かが落ちる音がした。
ぽて、と柔らかい物が当たる音が頭の上でした。
キリトよりも早く、〈月夜の黒猫団〉の面々が息を呑んだ。
別に強いモンスターが現れたから恐怖している、わけではない。
むしろ最弱に近い部類だ。
だが、見た目が最悪だった。

〈スローワル・ワーム〉。
ゴブリン系モンスターが主流のこの階層ではめずらしいワーム型モンスター。
見た目こそうねうねしていて気持ち悪いが、実はかなりのレアモンスターである。
このモンスターからドロップする糸は布装備用素材アイテムとしてはかなり優秀で――――

「きゃああああああつつっっっ!!!」

――――なんて思考をするわけもなく、キリトは甲高い悲鳴と共に手にライトエフェクトを纏わした。
お化けや骸骨、蜂型のモンスターは平気なキリトだが、この手のワーム型モンスターだけは超苦手だった。
ぶにぶにしていてうねうねしている体を見ると怖気が走る。
見ているだけでも我慢ならないのに、そんな物が頭に乗っかっていたとなると、周りの目など綺麗さっぱり忘れてしまうものである。

〈体術スキル〉単発技、〈仙打〉。

絶叫を上げながら撃ち
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