アインクラッド編
回想――出会い
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恐れた。
非難されることが怖かったのだ。
しかし、今度もキリトの予想は予想外、あるいは嬉しい方向に外れた。
うわあっ! と全員が沸いた。
スゲー、あんまり年変わらないんじゃ、ホントに攻略組なのか、噂通りに真っ黒だ、等々。
少し熱気の籠もった視線と共にキリトは質問の嵐に飲まれた。
日も暮れそうだし、と〈月夜の黒猫団〉―――ギルド名を教えてもらった―――5人とフィールドを歩くキリトは自分が攻略組であることがバレてしまったのにこうして共に歩くことが出来ることに安堵していたが、同時に少し困っていた。
彼らは攻略組を目指しているようで、キリトに尊敬の眼差しを送ってきたのだ。
「ソロの攻略組って凄いですね。キリトさんは最初から攻略組にいる数少ないプレイヤーの1人って聞いてます」
「敬語じゃなくていいよ、ケイタ」
キリトは苦笑した。
どうやら〈黒の悪ビーター〉なる非難の名は、中層ゾーンではあまり使われていないらしい。
むしろ攻略組数少ないソロプレイヤーとしての方が有名だと。
自分たちのことをずるいとは思わないのか? と訊ねたら短剣使いの男、ダッカーに、
「だってベータテスト経験者は1000人もいたんだぜ? そんな数の人間恨む暇があったらもっと有意義な時間の使い方をする」
と,肩を竦めながら返された。
他の4人も「今更そんなこと気にしない」という感じだった。
自分が勝手に悪い方向に捉えていたのだと分かったのは良かったのだが、少しばかり彼らの好意の目が辛かった。
自分はそんな尊敬なんてされる人間じゃないと自覚、いや、思いこんでいたのだ。
「まあ、ソロが一番効率がいいからな。ギルドに入ると何かと制約があるし」
「なるほど・・・・」
「その点、うちのギルドは何の制約もないアットホームな雰囲気が売りだぜ。のんびりし過ぎて中々攻略組に参加できてないけど」
「一番暢気なお前が言うな」
ギルドリーダーの両手棍使い、ケイタがダッカーの脇腹を肘で突いた。
「いった!」と大げさに痛がるダッカーを見て他の3人、サチとテツオ、ササマルが笑う。
「やっぱりケイタたちは攻略組目指してるのか?」
「うん。かなり出遅れちゃったけど、頑張って参加したいって気持ちは攻略組にも負けてないつもりだよ」
ケイタの言葉に男子3人は大きく頷いたが、少女サチだけ一瞬表情が暗くなった気がした。だが、すぐに笑みを浮かべたので気のせいだろう、とキリトは流した。
その横からケイタに訊ねられた。
「キリト。マナー違反だって百も承知だけど・・・・レベルってどのくらいなんだ?」
ケイタの言う通り、この世界において個人のステータスを聞くのはかなりのマナー違反だ。
デスゲームと化し、己のステータスが
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