第二十三話 当たった不安その十六
[8]前話 [2]次話
「それだよ」
「メロンか」
「嫌いかい?」
「いや、好きだぜ」
ゼットは鳥に嬉しそうに笑って応えた。
「皆で鍋を囲んで酒を飲むのもキラキラしててな」
「メロンもだろ」
「ああ、キラキラしてるな」
「そうだよな」
「それでどうして食うんだ」
そのメロンをというのだ。
「半分に切るのかそれとも四分の一か」
「半分だよ」
鳥はゼットにその食べ方も答えた。
「それで真ん中の穴にアイスクリームを入れるんだよ」
「バニラだよな」
「ああ、そうだよ」
まさにというのだ。
「バニラのアイスを入れてな」
「食うんだな」
「いいだろ」
「最高だ」
実に嬉しそうに返事をした。
「メロンの食い方の中でもな」
「キラキラしてるな」
「本当にな」
「それでな」
鳥はさらに言った。
「今日はそうしてな」
「皆でデザートとしてだな」
「メロンも楽しんでくれよ」
「それじゃあな」
「我等だけではないな」
カオスもデザートがメロンそれもその様にして食べると聞いて上機嫌になっている、そのうえでの言葉だ。
「兵達もだな」
「ああ、皆鍋を囲んで飲んでるしな」
「デザートもだな」
「メロンだぜ」
「同じだな」
「あんた達だけ楽しむ考えはないだろ」
「我々幹部も兵達もな」
それこそ分け隔てすることなくというのだ。
「階級はあれど共に戦っているのだ」
「それならだな」
「同じものを食べないとだ」
さもないと、というのだ。
「駄目だ」
「そうだよな」
「流石にゼット殿は皇帝だからだ」
カオスはその彼も見て話した。
「特別なものを食べてもいいが」
「ああ、そんな気遣いはいいさ」
ゼットは右手を口の高さで横に振って答えた。
「むしろ厄介にな」
「思うか」
「だからな」
それでというのだ。
「そうしたことはな」
「いいか」
「皆と同じものを食うさ」
カオスに微笑んで話した。
「俺も」
「それでいいのだな」
「ああ、むしろな」
「他の者と違うものを食するのはか」
「嫌いだよ」
そうだというのだ。
「本当にな」
「そうだな、実際俺だけ美味いもんを食ってもな」
ヤーブンも言ってきた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ